春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

遭難しました(道探し失敗編その2)

この週末にはスペインでトライアル・デ・ナシオンという世界大会が開催されていて、ほんとだったらぼくもそこにいなきゃいけないのですが、いやいや、村でトライアル遊びをするという計画を発表しちゃっているのでこっちのほうが大事です。

というわけで、前回に引き続き、道探しに行ってきました。

ほんとだったらそろそろ通る道を固めて、少し通りやすくするくらいのことをしていなきゃいけないのだけど、今回は開拓ツーリングということにしちゃったから、道が少々できそこないでもいいだろうと甘えちゃって、そんならもっとおもしろい道がないかいなと探しに行ったらこの始末というお話です。

こんなところをよくバイクで歩くなと村人にはあきれられるけど、トライアル的にはそんなにむずかしいもんじゃない地形ですが、コースマーカーがないからどこへ行ったらいいのかわからない。やがて、薮こぎみたいになってきたから、ちょっとオートバイを止めて、地形がどんなふうになっているかを確認しに歩いてみました。いまどきはGPSもあるし、スマートフォンで地図を表示すれば、けっこう正確に自分の位置と状況を示してくれるけど、やっぱり最後は歩いてみるのが一番です。

結論として、これはだめだということになって、じゃ、帰ろうと思って振り返った途端、青くなった。ほんの20mそこらなんだけど、どこにオートバイを置いたのかさっぱりわからない。歩き始めた時に、ちょっとでも振り返っておけばよかった。向いている方向がちがうと、景色がまるでちがって、見たこともない光景が広がっている。

しばらくオートバイを探しているうち、さらに青くなった。自分の居場所さえもよくわかんなくなった。傾斜の低いほうに降りれば人里に帰れるのはまずまちがいがないんだけど、傾斜の低い方角があっちにもこっちにもある。どっちに帰ったらいいのか、少し泣きべそモードになった。

念のため、その時点でGPSのポイントを打って、遭難したかもしれないとメッセージを入れた。おそらく帰れるだろうけど、帰れなくなった時にはこのへんを探してもらわないといけないから、位置情報も送っておいて、バイクを探したり自分の帰り道を探したりうろうろしてみた。

そのうち暗くなってきたので、オートバイはとりあえずあきらめて、降りることにした。そんなことをしているうちに、下界では捜索隊が結成された。

メールを受けて、とりあえず現地近くまで以降とした初動捜索隊が、ぼくの遭難現場の近くに住むじっちゃんが、うちの近くの酒屋に引っかかっているのを発見。遭難したらしいと伝えると「それはおもしれー」といっしょに助けに来てくれた。

顛末としては、ホーンを鳴らしながら、なんとかクルマが上がってこれる道を捜索隊が上がってきた頃には、ぼくはなんとか道まで出ていて、大事には至らなかったのだが、オートバイはその日は山の中で一晩を明かすことになった。

翌朝、じっちゃんを迎えに行って(勝手に探せかもしれないけど、じっちゃんは退屈しているので、助けを求めるのはじっちゃん孝行だと思っている。いや本音は、一人じゃ心細い)オートバイを探す。途中で、あっちだこっちだとじいちゃんと意見が合わなくなって、声を出しながら二手に分かれる。こっちにはGPSのポイントとかのハイテク情報があるけど、じっちゃんは、このへんにちがいないと自分が迷ったのでもないのにまっしぐらに進むのだ。山の中でハイテクのしくみを説明するのはめんどくさい。

結果、ハイテクの勝ちで、それでもしばらく探し回った揚げ句に発見となった。いやぁ、もう二度と会えないかと思ったよ。

イワタケ岩

この写真は、オートバイの近くにあった大岩。黒山健一選手に上ってみてくださいとお願いしたら、なんだか神がかっているからおっかなくていやだと言われた。神がかっていなかったら上れるのかしら。上れるんだろう、きっと。

じっちゃんによると、この岩はイワタケ岩というんだそうだ。イワタケって、高級キノコだけど、盗みにこようと思って山へ入ると遭難しますよ。念のため。

あとからGPSの軌跡を地図に落としてみたら、村の神社がある山頂まであと50mくらいだったことがわかった。今度はもう少し気合いを入れて、イワタケ岩経由で神社までの道をつけてみようかな。神社までは、何度かオートバイで上がらせてもらった参道があるんだけど、それこそ神がかっていて恐れ多いのでした。下の写真がつい先週あったお祭りです。

2015高田島のお祭り

遭難して一泊したオートバイを引き上げてみたら、なんだか満タンにしたはずなのにガソリンがない。あれー? ガソリンの神隠し? たぶん入れたつもりが入れていないということなんだろうけど、あの岩の山を走ると神様にガソリンが盗まれると黒山健一様には伝えておこうと思います。