春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

日本GPもてぎ

080601藤波

 2008年、ツインリンクもてぎでの日本GPが終了した。
 両日ともに2007チャンピオン、トニー・ボウが勝利。2日目はアダム・ラガと僅差だったが、1日目は圧勝だった。
 藤波貴久は両日ともに3位。
 藤波以外の日本人最高位は土曜日が黒山健一、日曜日が野崎史高。両日トータルでは、小川友幸と成績を分けあった。
 ジュニアクラスはロリス・グビアンとアレックス・ウイグが勝利を分け合ったが、ポイントではウイグが勝利。選手権のリードをとった。日本人では野本佳章と斎藤晶夫がそれぞれ最上位となった。
 ユースクラスはフランチェスク・モレットとジャック・チャロナーがそれぞれ勝利。日本人では両日ともに藤巻耕太が8位に入ったのが最上位だが、藤巻は1日目1ラップ目には5位につけて結果が期待されたが、負傷によって順位を落としている。

080601ボウ
トニー・ボウ

 今回の日本GPは、今シーズンの世界選手権の様子を象徴するような試合展開となった。
 まずトニー・ボウの圧倒的なうまさ。練習をしていても試合でセクションを走っていても、常に余裕の度合いがちがうように思える。
 そしてそのとおり、土曜日の試合はボウがぶっちぎりで勝利した。減点71点、2位に26点差は、力の差を見せつけた感じがある。
 しかし日曜日は、また別の今シーズンを象徴する試合展開。ボウ、ラガ、藤波の3人が僅差で離れない。あれほど圧倒的な力の差を見せつけていたボウが、ちょっとしたことでリズムを崩せば、ラガや藤波が勢いで上回ることがある。トライアルが、ライディングテクニックだけの勝負ではないという証だ。
 藤波は、2ラップ目にふたつの失敗があってトップ2に遅れをとることになったが、ラガは最後までボウにくいさがり、最後はたったの2点差でボウが勝利となった。

080601ラガ

 藤波は、日曜日の1ラップ目はトップで折り返した。シーソーゲームの末に得たポジションで、ラガには6点差をつけていた。久々の藤波の母国での勝利が期待されたが、2ラップ目の失敗は痛かった。2ラップ目だけをみれば、ドギー・ランプキンに3位の座を奪われて4位。2位ラガに9点差で、4位ランプキンに6点差。
 しかし藤波は、他の誰もが5点ばかりのセクションを3点で抜けたり、ボウも足をついたところをクリーンしたりと、その存在感はやはり藤波ならでは。土曜日は、転倒時にマシンを岩にヒットさせてトラブルが発生。その影響が最後まで響いたのが残念だった。

080601藤波

 4位以降に目を移せば、今回はランプキンの活躍が光った。シェルコのアルベルト・カベスタニーが両日ともに7位と、カベスタニーにすれば予想外の低迷ぶり。ジェロニ・ファハルドに5位を奪われ、さらに土曜日には黒山健一、日曜日には野崎史高に6位の座をも奪われている。
 小川友幸は土曜日に8位、日曜日に9位。日曜日の黒山、土曜日の野崎はどちらも12位だったから、獲得ポイントでは小川が上回っている。ただし全日本組は、世界選手権はスポットでの参戦形態だからこその取り組みがあるわけで、獲得ポイントを気にしているライダーはいないようだ。

080601野崎
日曜日の野崎史高

 今年は、日本GPではじめて、日本人のユースクラスへの参戦があった。しかし全日本に125クラスを持たない日本では、あえて125ccでの参戦を続けている藤巻耕太と、やはりSY125Fで国際B級に参戦している大田裕一のふたりはいつものマシンだが、滝口輝と松本龍二はこの大会だけのために125ccマシンに乗るというスペシャルケースとなり、激しいセクションへの挑戦は楽ではなかったはず。
 B級のふたり、松本と大田は両日ともにオール5点という厳しい成績となったが、A級のふたりはまずまずのリザルトといっていい。藤巻の負傷がなかったらより上位が望めた可能性もあるが、ここから先は、やはり本場ヨーロッパを転戦して切磋琢磨の輪の中にはいるしかない。

080531黒山
土曜日の黒山健一

 ジュニアクラスでは、去年も参加していた4人が参戦。土曜日は野本佳章が8位で9位に斎藤晶夫。ライア・サンツが10位だから、まずまず。しかし日曜日には、オランダ人のエウド・ラルケンスをのぞいて9位から12位まで、下位にきれいに日本人が並ぶという結果表としてしまった。
 世界選手権では、国際A級スーパークラスから小川毅士、尾西和博、井内将太郎、西元良太、岡村将敏、砂田真彦が国際A級からの参加となった。岡村と砂田は両日ともに全セクション5点。土曜日は井内が15位でポイントを獲得、日曜日は井内が13位、小川毅士が14位、尾西和博が15位でポイントを獲得した。小川毅士はちょっと元気なく、井内はなかなかいい結果を残したといえる。
■世界選手権土曜日
1 トニー・ボウ 71 11
2 アダム・ラガ 97 6
3 藤波貴久 103 7
4 ドギー・ランプキン 109 5
5 ジェロニ・ファハルド 115 4
6 黒山健一 118 4 
7 アルベルト・カベスタニー 120 3 
8 小川友幸 121 2
9 マイケル・ブラウン 126 3
10 ジェイムス・ダビル 127 2
11 マルク・フレイシャ 128 2
12 野崎史高 128 1
13 ダニエル・オリベラス 142 0
14 小川毅士 142 0
15 井内将太郎 144 0
16 西元良太 144 0
17 尾西和博 146 0
18 岡村将敏 150 0
19 砂田真彦 150 0
■世界選手権日曜日
1 トニー・ボウ 40 17
2 アダム・ラガ 42 16
3 藤波貴久 51 14
4 ドギー・ランプキン 57 9
5 ジェロニ・ファハルド 81 7
6 野崎史高 90 10
7 アルベルト・カベスタニー 94 7
8 ジェイムス・ダビル 95 7
9 小川友幸 95 5
10 マルク・フレイシャ 102 3
11 マイケル・ブラウン 103 6
12 黒山健一 105 5
13 井内将太郎 130 1
14 小川毅士 139 1
15 尾西和博 140 0
16 ダニエル・オリベラス 141 0
17 西元良太 141 0
18 岡村将敏 150 0
19 砂田真彦 150 0
■ジュニア土曜日
1 ロリス・グビアン 96 5
2 アレックス・ウイグ 108 5
3 アルフレッド・ゴメス 110 5
4 サム・ハスラム 112 3
5 ギュヤム・ラニエル 121 3
6 ロス・ダンビー 122 2
7 マテオ・グラッタローラ 124 2
8 野本佳章 129 0
9 斎藤晶夫 135 1
10 ライア・サンツ 138 1
11 柴田暁 139 1
12 永久保恭平 141 0
13 エワド・ラルケンス 145 0
■ジュニア日曜日
1 アレックス・ウイグ 45 16
2 ロス・ダンビー 62 10
3 サム・ハスラム 63 9
4 ロリス・グビアン 64 10
5 アルフレッド・ゴメス 83 7
6 マテオ・グラッタローラ 89 5
7 ライア・サンツ 96 4
8 ギュラム・ラニエル 97 7
9 斎藤晶夫 111 3
10 柴田暁 116 3
11 野本佳章 122 2
12 永久保恭平 132 1
13 エウド・ラルケンス 140 0
■ユース土曜日
1 フランチェスク・モレット 110 4
2 ジャック・チャロナー 111 2
3 パトリック・スメイジ 119 5
4 ジェイク・ウィテーカー 126 2
5 アレキサンドレ・フェラー 126 1
6 ベニト・ダニコート 135 1
7 ペレ・ボレラス 135 1
8 藤巻耕太 138 1
9 滝口輝 146 0
10 大田裕一 150 0
11 松本龍二 150 0
■ユース日曜日
1 ジャック・チャロナー 79 7
2 パトリック・スメイジ 94 7
3 アレキサンドレ・フェラー 96 4
4 フランチェスク・モレット 108 3
5 ベニート・ダニコート 108 1
6 ペレ・ボレラス 116 2
7 ジェイク・ウィテーカー 118 2
8 藤巻耕太 133 0
9 滝口輝 148 0
10 松本龍二 150 0
11 大田裕一 150 0