春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ドギーvsマイケル

 金曜日のSSDT。
 ドギー・ランプキンが、減点を重ねている。この日は、1点が3つ。しかし、たったの3点。トータル減点は5点だ。
 続くはマイケル・ブラウン。この日の減点は、やはり3点。やはり1点が3つ。トータルでは9点。両者の4点差は大きいのか、小さいのか。6日間のSSDTも、残すところは後1日。
 金曜日はSSDTの6日間の中では比較的らくちんとされている半島巡り。しかしそれは、あくまでも6日間の中ではらくちんなのであって、らくちんなトライアルというわけではない。


 きのう、見落としていた情報がありました。忘れちゃいけない。2002年にSSDTで優勝したアモス・ビルバオが、木曜日にリタイヤしていました。リザルトからだけ見ると、木曜日の第6セクションまでをクリーンして、第7セクション以降が50点になってます。第6セクションから第7セクションへ移動する途中でマシンが壊れちゃったか本人がお腹痛くなっちゃったかというところかな。金曜日には「リタイヤしたライダー」という一覧の中にいて、どうやらもう走っていない模様。
 さて気を取り直して、1位は文句なしのドギー・ランプキン。オールクリーンはやめて、確実に優勝を狙おうとしているのか、最初っからオールクリーンなんか狙っていなくてたまたま3日続いちゃっただけなのか、なんにせよ、5日間でたったの5点しか減点していないという事実は、オールクリーンだろうがなんだろうが、驚異的な結果であることにはちがいない。
 そしてランプキンに続いて2位を守っているのが、マイケル・ブラウン。1987年生まれのまだ21歳。こんな若造が、百戦錬磨のランプキンをしっかりマークして、4点差をキープしている。ここまでのトータル減点、9点。今日の3位はトータル15点のブレイブロックだから、よほどのことがなければこのふたりのどちらかが勝利することはまちがいないと思われる。マイケルも、ドギーが出ていない今までだったら文句なしの優勝なのに、タイミングが悪い。それでも、ドギーとのSSDTでの接戦は、マイケルのトライアル経験にいい1ページを加えるはず。……なんて、ドギーの勝利が決まっているような書きかたをしているけど、まだまだわかんない。あと30セクションもあるし、コースだって、まだまだ長いのだから。
 きのう4位だったウェイブロックが、減点4でトータル減点15。3位に浮上した。4位がサム・ハスラム。本日の減点5、トータル減点20。ジェイムス・ダビルはきのうまで減点11でがまんしていたけど、今日はいきなり減点11。トータル減点を22としてしまって5位。単純に疲れということでもないと思うけど(もちろん疲れてもいると思う)、きちんと最小減点でキープするというのはむずかしいことなんですね。
 そしてこの人も。きのうまでトータル9点で3位にいたジョルディ・パスケット。一気に13点減点してしまって、トータル22点。非イギリス人のトップは変わらないけど、3位から6位に後退。こういう減点だけ見ると、金曜日のSSDTは木曜日までよりむずかしいんじゃないかと思ってもしまう。精神的には、もしかしたらつらい日なのかもしれません。
 7位はリアン・ウォルカーさん。この日の減点8点で、ちょっと順位を上げました。どんな人なのかは、わからない。
 8位はスコットランドの星、マクドナルド。でもこの日18点もとってしまった。トータル30点。9位にベン・ヘミングウェイ。ベンも、この日の減点が16点もあって、総減点を33としてしまった。なんだかんだで、この日一桁減点で帰ってきたのはたったの5人。やっぱり金曜日は、むずかしいのかもしれない。
 ジャービスは10位で変わらず。減点16でトータル34点。シャウン・モリス、ダン・ソープ、アレックス・ウイグ、ジェイムス・ランプキン、サム・コナーと続いて、コナーの減点がトータル44点。ハリー・ランプキンがこの日36点でトータル84点。30位につけている。あと1日を16点未満で回れば100点を切るけど、さて、どうでしょう。4日間を48点で回ったのだからいける気もするけど、やはりハリーも金曜日に減点を増やしてしまった。
 てなところで、1枚目のリザルトは42位まで。2枚目、先頭にいるのはグラント・モリスさんで、シャウン・モリスのお父さんとかお兄さんとかかと思ったら、オーストラリア人だった。それで思い立って、エントリーリストから国籍調べをしてみた。
 一番多いのはイングランド人で153人。これ、イギリス人じゃなくて、イングランドの人。イギリスって国は、ブリテン島の3つの国と北アイルランドの連合王国。イングランドは、そのうちのひとつ。次に多いのが、地元スコットランドの56人。ウェールズ11人、北アイルランドとマン島がひとりずつで、ここまでがいわゆるイギリス人。
 イギリス以外で多いのがスペインで27人。続いてフランスの10人、スイスの4人。二人参加が4カ国あって、アイルランド、イタリア、日本、スウェーデン。たった一人の参加がアメリカ、オーストラリア、オーストリア、エストニア、ドイツの5カ国。全部で13カ国(イギリスをひと括りにして)の参加があったということになる。
 と、リザルトと関係ない話をして2枚目が終了。3枚目へ。
 3枚目では、斎藤晶夫が少し躍進していた。この日41点でトータル220点。順位は104位。あとちょっとで二桁順位だ(でもSSDTでは何等賞という表彰はしない。スペシャルファーストクラスに入れるかどうかが問題)。そのふたつ上、102位にはミケーレ・ボシ。この日の減点78点。ずいぶん豪快にくらったものだ。トータル減点は218点。この日の晶夫くんは、104位という順位より、マリア・コンウェイ(女子)より上位にいるのがすごい。この日のコンウェイは64点、トータル229点。
 そしていきなり大躍進がドンナ・フォックス。きのうまで4枚目にいたのに、この日の減点41点(晶夫くんと同点だ)でトータル235点。女子のトップ争いは、6点差をめぐって最終日に突入することになった。女子の闘いはさらに熱い。エマ・ブリストウは59点でトータル242点。女子2位の座はフォックスに譲ったけど、まだまだ堂々たる走りっぷりを続けている。その直後、この日54点で244点で追いかけるのが、いまや女子4位となってしまったイリス・クラマー。女子の1位から4位までが15点圏内に入っているというすごい戦いとなった。その戦いの渦中に飲み込まれそうになりながら、なんとか逃げようとしているのが、斎藤晶夫だ。
 ちなみにもうひとりの女子ライダー、レニソンはこの日106点でトータル457点。平均すると100点未満という走りっぷりは、やっぱりすごいです。
 ジェイク・ミラー(FIM報道官)はこの日78点。ミケーレと同じ減点をくらって、トータル251点、122位。女子4人勢に遅れをとることになりました。お疲れでしょうが、あと1日がんばってちょうだい。
 リザルトはこんな感じで7枚目まで続いて、7枚目には10人が並んでます。その3人目が猪倉誠治さん。この日、3点のタイムオーバーがあって135点。トータル686点。255位だけど、上位には失格して賞典外の人がけっこういるから、実際にはもう少し上の順位となるはず。
 256位の人は唯一のアメリカ人、ジェフリー・サロス。この日17点のタイムオーバーをもらって減点161点、トータル減点696点です。これより下の人は、どうも失格扱いになりそうな人が多くて(半分くらいのセクションが不通過)、猪倉さんと愛すべきアメリカ人が最下位争いとなりそうな気配。
 さぁて残るは最終日、ただ1日。減点の少ない人もたっぷりの人も、あと1日がんばってください。