春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

マイケル、1点でドギーに迫る

 水曜日のSSDT。
 ドギーは、まだオールクリーン街道を突っ走っています。
 2位にはマイケル・ブラウンで、トータル1点。3位にはパスケットが浮上。
 齋藤晶夫はこの日51点でトータル143点、124位。猪倉誠治はこの日131点でトータル470点の263位。
 残りは3日となった。


 SSDTってところは、ふつうのトライアル愛好者にとっては(たとえばニシマキみたいなの)、完走がすばらしい偉業。出るのは誰でも(抽選に通れば)出られるので、6日間きちんとマシンと自分をコントロールして、すべてのセクションを(たとえ5点でも途中で動けなくなっても)トライするのは、並大抵の技術と精神力では通用しない。ニシマキは、杉谷に出てみろと言われたことがあるけど、その目の裏に意地悪な好奇心が光ってるのを見て、そしてセクションにライダーが疲労困ぱいして到着するのを見て、行ってはいけないところだと悟ったつもりになっている。
 ちょっとトライアルがうまい人たちにとっては(杉谷みたいなの)、毎日30点くらいで帰ってくるひとが信じられない尊敬の対象になる。岩盤はつるつる。コースは凶悪。すべてのセクションを疲労困ぱい状態で走るのだから、かすみたいなセクションだって手応えを感じるはずなのだけど、SSDTのセクションはそうじゃない。
 1日を30点くらいでまとめられるライダーにとっては(最近では成田亮とか日下達也とか)、やっぱり上には上がいて、1日を数点で帰ってくるライダーがいるというのが信じられないらしい。
 そんな序列を見ると、この人のやってることってのは、信じられないこと宇宙人の如し。ドギー・ランプキン、3日連続でオールクリーン達成です。90連続クリーン。いやはや。
 しかしすごいのはドギーだけかというと、ドギーに肉薄して、マイケル・ブラウン。1日目に1点着いただけで、2日連続オールクリーン。若いのに、こいつもたいしたものです。1点差でくっついていれば、ドギーにだってなにか不運が起きるかもしれないから、チャンスはあり……かな?
 3位に浮上したのはジョルディ・パスケット。300ccのベータ4ストロークで、この日は減点1。トータル6点。きのうまで減点1点だったスコットランドのギャリー・マクドナルドがこの日5点減点だったので(1点ふたつと3点ひとつ)トータルで並んだ。さらに8点が二人、ジェイムス・ダビルとウェイン・ブレイブロック。グラハム・ジャービスはこの日6点とっちゃってトータル9点になっている。
 シャウン・モリスが11点で9位、サム・ハスラム、ベン・ヘミングウェイ、ダン・ソープが12点で10位、サム・コナーはこの日9点ついてトータル17点、13位。
 ジェイムス・ランプキンとアモス・ビルバオ(かつていっしょにドギーのマインダーをやった仲だ)が19点で15位。アレックス・ウイグが20点で17位。ドギーの弟ハリー・ランプキンが41点で35位。そして42位までで、リザルトの1枚目が終わっている。
 2枚目は、日本人にとってはなじみの薄い、それでもとってもうまいイギリス人たちが大勢を占めている。2枚目の解説は通過して、3枚目へ。
 ミケーレ・ボシが101点で92位。女性トップを守るマリア・コンウェイが123点(この日44点)で110位。エマ・ブリストウは139点(この日48点)で120位。齋藤晶夫はその直後にいて、143点(この日33点)で124位。このふたりの女性陣にはもう一歩で届きそうだけど、このあと数点、あと20点がでっかいのかもしれない。126位で、3枚目は終了。
 4枚目の上のほうに、ドンナ・フォックス。この日51点でトータル150点、129位。そして今年はどうしたんだろう? イリス・クラマーは156点(この日59点)で136位。女性4位のポジションにいる。ケティ・サンターが175点(この日57点)で151位。もうひとりの女性レベッカ・レニソンはリザルト5枚目だから、ここまでの5人とはちょっと差が開いている。でも最近のイギリスは、どんどん新しい女子ライダーが出てくる傾向にあるから、このレニソンさんももうちょっとしたら、世界選手権に名をあげるライダーに成長するかもしれない。5年前は小粒のライダーばかりだったイギリスだけど、今や女子デ・ナシオンでは、しばらくは優勝が続くんじゃないかというくらいの強国になった。その背景にSSDTがあるかどうかはわかんないけど、少なくともSSDTを走って、みんな大物になっているのは、確かだ。
 6枚目。猪倉さんはほとんど完走最下位になってるけど、この日はタイムオーバーもなし、減点131、トータル減点470。3点が10個弱、2点がひとつありました。すばらしい。
 ニューカマーでは、あいからわずジャック・シャロナーがトップで35点、女性ライダー、エマ・ブリストウは12位、13位が齋藤晶夫。今気がついたけど、5人目の女子ライダーであるレベッカ・レニソンはニューカマーのリザルトにのってなかった。ということは、すでに去年かおととし、SSDTを走ってるんだ。いわゆるトライアル的な走り(スペイン的な走りといってもいいかな)としては、そんなにうまくもない人たちが、SSDTをきっちり完走する、そして海外の参加者を圧倒するという図式が、SSDTには多い。イギリス人の独特のうまさは、そんな背景から生まれてくるものかもしれない。
 ちなみにクラス別リザルトには40歳以上というのもあって、トップはイギリスのフィリップ・アンダーソンさんだけど(シェルコ4ストローク)、この日の減点は11点、トータルでは40点。3日間走って100点以下という40歳以上が13人いる。みんな、すごい。
 今日はこんなところです。