ラガ、ボウを止める。もてぎ2日目

　ボウとラガのふたりが試合をぶっちぎった土曜日から明けて日曜日。世界選手権日本GPは、二人に加えて藤波とカベスタニーを加えた四つ巴の接戦になった。特に1ラップ目、第9セクションでの時点では、四人が四人とも減点9で並ぶという大接戦。前日はボウがあわやオールクリーンという走りを見せたが“ありえない完璧すぎる走り”ということもあって、特にセクションの難易度があげられることもなく、日曜日の好減点は予想通りともいえたが、それでもこの大接戦は見ごたえあふれる誤算だった。

　この四人に続いて、黒山健一もこの日は好調だった。全日本で見るような、ライバルの動向を把握して作戦を詰めていくという走りというよりは、のびのびと思いきりのいい走りを楽しんだという感じだったが、それが功を奏したか、中盤まではこの四人にも届きそうな勢いだった。
　ランプキンは土曜日の最終セクションで右手を強打して、大きく腫れ上がった手でのライディング。ブレーキ操作ができない中、黒山らと接戦を演じてしまった。
　1ラップ目終盤、藤波が細かい減点を重ね、1ラップが終わったところではトップがボウの9点、同点クリーン差でラガ、3位がカベスタニー10点、そして藤波12点とまだまだ僅差。5位は黒山の27点。

　藤波は1ラップ目にただひとりクリーンした2セクションを、2ラップ目も1点で抜けた。この2セクションは、藤波がクリーン、野崎が1点の他は、全員が5点となった難セクションだった。そしてこの第2セクションで1点ついたあとは、藤波の連続クリーンがはじまった。カベスタニーが第9セクションで5点、まずカベスタニーから3位を奪い取ると、さらにトップを追いつめるべくクリーンを重ねる。
　しかし追撃もここまでで、トップの二人も足は出さず、3位がほぼ確定的となった最終セクション。ここで藤波に悪夢が待っていた。岩の頂点まで登ったと思ったところで失敗、池まで落ちたときに、右手人差し指を脱臼するというアクシデントに見舞われた。一時は骨折も疑われただけに不幸中の幸いだったが、藤波の日本GPは大クラッシュとともに2日間の3位獲得という結果で終わった。
　序盤に好調だった黒山は、2ラップ目後半に連続5点を喫して5位の座を逃したが、ランプキンを破って6位を獲得した。小川友幸は土曜日と同じく8位。1ラップ目は好調だったが、1ラップの最終セクションで藤波同様にクラッシュして、指と足を痛めてしまった。試合はなんとか続行したが、それ以降は本調子ではなかったという。
　渋谷勲が今日は順当なスタート順を得て本領を発揮、11位を得た。野崎史高は2ラップ目に減点を重ねてしまって渋谷に9点差の12位。小川毅士が15位でポイントを獲得した。田中太一は足の負傷で日曜日はスタートせず。