春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

07SSDT/5日目

 SSDT、5日目、金曜日になりました。
 金曜日は、フォートウイリアム西南の半島を1周してくるコースで、舗装路が多くて休日と呼ばれています。でもこう言われて安心していると痛い目に遭うらしい。あくまでそれまでと比べて、少しだけ、という意味らしくて、たいへんなのはやっぱりたいへん。
 湾というか川というか海というか、半島にわたるのにフェリーに乗ったりするシーンを見たことがある人がいると思うけど、あんなシーンが妙にのどかに見えたりするんで、のどかな1日というような印象があるのかもしれません。SSDTは、そんな甘いものではないのでした。


 ジェイムス・ダビルの好調は揺るぎません。
 この日は1点で帰ってきました。トータル13点。2位は2点のグラハム・ジャービスで、トータル25点。残り1日。ダビルがよほどとっちらからないかぎり、逆転はむずかしそうです。ただ、1日に15点くらいってのは、けっしてありえない減点ではなくて、ちょっと油断するとすぐに叩いてしまう減点数ですから、どんでん返しを期待したい人は、明日の結果を楽しみにしていてください。
 総合3位に落っこちたのはマイケル・ブラウン。今日は8点。トータル28点。2位争いはまだまだし烈です。ジャービスとしたら若造に負けるわけにはいかないし、ブラウンにしたらトライアルをやめていったおっさんに負けるわけにはいかない。どうなるかなぁ。
 4位マクドナルド32点(この日7点)、5位ウイグ35点(4点!)、6位パスケット35点(2点!!)、ヘミングウェイ38点(6点)、8位モリス39点(3点!)、9位コロメ41点(同じく3点)、10位ソープ41点(11点)。
 スコルパ4ストロークとベータ4ストロークの戦いはベータに軍配が上がりそう。もっとも、コロメは世界チャンピオンだけど、SSDTについてはパスケットのほうがはるかに経験豊富だから、ライダー的にはこんなもんかなという気もします。こうしてみると、数年前にアモス・ビルバオが優勝したのは、スペイン人としてはやっぱりすごい快挙だったですね。
 アーバラは20位。この日は6点だった。小川毅士はこの日26点で、36位。ちょっとおっこってきた。対して成田匠が浮上中。この日は14点で、トータル139点、42位まできました。日本人同士で競り合ってもしょうがないけど、最終日で、毅士のところまで届くかどうかというのがお楽しみになりましたね。
 女性陣の争いは、順位は変わらないけど、あいかわらずし烈。ケティ・サンターはこの日46点でトータル313点。132位。イリス・クラマーは同じく46点でトータル317点、134位。ドンナ・フォックスは58点でトータル324点、139位。この人たちは本当にすごい。杉谷も、もう「SSDTで勝負しよう」なんて近寄り方はできなくなった。日本の国際A級が参加しても100位以内ってのが多いのだから、SSDTについてはふだんの力量とはちがうなにかが成績を左右する気がする。
 ちなみに、今のところちゃんと完走している最下位は689点。失格の人も走り続けられるシステムになったから(もちろん賞典外)これ以上の点数の人も走ってるけど、きちんと競技を続けている人は、だいたい1日100点ちょっと、150点もとっていたら(オール5点)未来はないということになりそうです。オール5点といっても、オール5点でいいなら誰でも走れるというわけではないから、SSDTはたいへんですねー。
 これで残すはたった1日。最終日だからさらりと回って、と日本人だったら考えるけど、イギリス人ってのはかなりサディスティックで、最後の日だから、ちゃんと楽しませてあげようなんて思うみたい。てなわけで、SSDT参加のどなたさまも、最終日を泣きながらお楽しみください。
「Are you enjoying?」
 なんてのがSSDTのあいさつになってるけど、これはSSDTを知ると、とっても深いごあいさつです。
「Yes, sure. and you?」
 なんて、どう見てもぼろぼろの泥どろの二人が交わしあうわけだから、大局的に見たら、なんとも平和です。