春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

07SSDT/4日目

 SSDT、4日目、木曜日です。
 ジェイムス・ダビルは絶好調だなぁ。きのうはグラハム・ジャービスが貫録を見せたんだけど、今日はジェイムス・ダビルとマイケル・ブラウン、二人の若手イギリス人が30セクションをオールクリーンしてきた。ジャービスは3点でトータル23点。総合3位にはつけているけど、ダビルはたったの12点と、そろそろ初優勝に向かって準備を整えはじめた。ブラウンは2位でトータル20点。ふつうに考えたら、2日間で8点くらい、なんとかなりそうなものだけど、今年のダビルの好調具合を考えると、むずかしいかも。ただし最終日にいきなり10点くらいくらうことはよくあることだから、試合はまだまだわからない。


 といっても、試合の結果のことなんか気にしているのは、こうして遠い日本のコンピュータの前で結果を待っているトライアルおたくと、ほんの一部のトップライダーで、多くの参加者たちは、今日も無事に終わった、あるいは今日も無事じゃなかったけど生き延びた、あと2日間で終わるんだと胸をなで下ろすばかりで、結果表を見る元気もなく(結果表は、本部のあるホテルまで出かけないとみられない)明日目が覚めたときに、この腕の痛みがきれいになくなっているといいなぁという夢を見ながらベッドにもぐり込んでいる。もちろん腕の痛みは4日間にわたって厳しいコースで痛めつけられたものだから、一晩寝たってぜんぜんなおりゃしないのだ。杉谷なんて、肘の痛みを半年くらいにわたって訴えていたこともある。そんなに苦しい思いをして、いったいなんだってでかけていくのかねぇ。きっとその苦しみを味わったものにしかわからない、たいへんな極楽があるにちがいない。ふつうの人は、知ろうと思わないほうが身のためです。
 トップ10位まで、すっかり有名人(単に知った名前というだけで、11位以下でも、きっとイギリスでは有名人)が並んだ。4位はスコットランドの星、ガリー・マクドナルド、5位にはダン・ソープ。なかなかがんばってます。ソープ親子は、ちょっとETに似ている。関係ないけど。6位はアレックス・ウイグ。このへんは1点を争う僅差だから、最後までおもしろい勝負が続くことだろう。7位にはベン・ヘミングウェイ。ベンは、親父も往年の名ライダーだけど、兄貴もイギリスのトップライダー。ダン・ヘミングウェイといって、22位につけている。8位にジョルディ・パスケット。ベータ4ストローク。そしてイギリス人以外ではトップ。9位がシャウン・モリス。10位がドギーの前の世界チャンピオン、マルク・コロメだ。
 10位以下で目ぼしいのを拾ってみると、14位にジェイムス・ランプキン。20位にジョン・シャート(最近は名前を聞かなくなったけど、TYRの頃には彼の作ったサイレンサーとか、日本でもけっこう使われていた)、21位にトンミ・アーバラ。29位にヘンリー・ランプキン(ドギーの実弟)。
 そして33位には、我らが小川毅士がいる。このへんはイギリスのうまい連中がひしめき合っているから、順位的にも抜きつ抜かれつの大接戦だ。トータル減点は99点になっている。
 成田匠は47位。ちょっと上昇カーブがにぶっちゃった。しかもタイムオーバーが1点ある。この日は減点30点で、トータルでは125点。あと2日オールクリーンすれば全日本のゼッケンの125と同じ減点でゴールできるけど、SSDTを走っているのは125じゃないし、オールクリーンってのはいつでもどんな大会でも奇跡だから、可能性はゼロじゃないにしても、むずかしいでしょう。残念。
 ずーっとリザルトをめくって女性陣の戦いはどうなったのかというと、ドンナ・フォックスがイリス・クラマーをちぎりはじめています。ドンナは138位。イリスは144位。でもその差はまだ5点。うーん、激しい戦いだ。
 そしてケティ・サンターは、ドンナをさらに9点上回って132位。なんか、世界選手権の序列とは真っ逆さまに並んでいるところがすごい。イリスはスコルパに乗り換えての初めてのSSDTだから、不慣れが原因となるなにかがあったのかもしれないけど、それにしてもケティ・サンターのがんばりはすごい。彼女は世界選手権ではポイントをとれるかとれないかという選手で、日本人を比較に出せば、萩原真理子とは勝負にならず、西村亜弥ともたぶん勝負にならず、絶好調の高橋摩耶といい勝負というくらい。そのサンターが、萩原真理子より世界選手権で上位につけるイリスをぶっちぎってるんだから、SSDTってところは不思議なところだ。
 そして今、たまたま見つけたんだけど、204位にボイタ・クレッカというのがいます。フィンランドのジャーナリストで毎年欠かさず出場している。昔からたいしてうまくなかったけど、順位的にそこから落ちることなく、毎年コンスタントに自分のペースを守っていることには感心します。すごい。
 リタイヤライダーの一覧をみると、伊藤さんもイリス父ちゃんももう走っていないみたい。やっぱりリタイヤとなると、次にスタートするのはものすごく勇気がいるんでしょうね。
 本日は山ごもりする予定なので、短めにこれにて失礼します。ではまたあした。