春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

07SSDT/2日目

 SSDTも2日目になりました。SSDTの6日間というのは7日でも5日でもなくて、6日間というところに意味がある。月曜日から始まって、土曜日に終わります。日曜日は教会でお祈りするお国のひとらしいシステムです。公式サイトでも、1日目2日目という言い方ではなくて、月曜日・火曜日という言い方をしていますね。


 まず伊藤さんの戦線離脱から。火曜日はひとつもセクションを走っていなくて、減点1500点をもらってます。日本のものさしだと、セクションをひとつ飛ばすと10点ですが、世界選手権では20点、SSDTでは50点。セクションをやらないんだったらトライアル大会には出てくるなよということみたいです。セクションの前に、コースを走りきれるかどうかがまず要。それがトライアルの鉄則です。だからSSDTでは、セクションをひとつ飛ばすと50点なんて、成績を目指すライダーにとってはありえないペナルティが与えられています。
 トライアルス成田成田亮さんの記事中の成田匠さんからのメールによると(ややこしい)、1日目に肩を痛めているということだから、それが原因で2日目の出走取りやめになったのだと思う。
 SSDTのコース上には、なにが待っているかわからない。杉谷や藤田秀二さんみたいに、取材で何回も通っているのに、いざ自分で出場すると「こんなにすごいところだとは思わなかった」と白状する人は後を絶たなくて、きっと、参加すると今まで見たことがない事件が待っているんだろうと思うけど、出場する気になれる人は、トライアルが充分うまい人たちなんですね。平民がいったら死んじゃうから。
 さてこの日もトップはジェイムス・ダビルでした。この日はなんとオールクリーンですよ。2位のマイケル・ブラウンもこの日はオールクリーン。こういう結果を見て、SSDTは簡単なんだなぁと誤解するひとが多いけど、そういう人は止めないから、出かけていって地獄を見てください。ひょっとしたら、世界選手権よりも別の意味でむずかしい大会です。ドギー・ランプキンがでないのも、消耗するのがいやだというのの他に「勝てなかったらどうしよう」というのがあるんじゃないかと思う。勝って当然だと思われるけど、ドギーだとて、この大会のむずかしさは変わらないわけです。
 上位陣は変わらず。マクドナルド、ヘミングウェイ、ウイグなどと続いています。ジャービスは総合7位。10位に浮上したダン・ソープは、往年の名ライダーデイブ・ソープの息子だけど(ヘミングウェイもランプキンもそうだけど)この人もこの日オールクリーン。ソープは世界選手権にでたこともあるけど、まるで国際B級クラスに出場してしまったニシマキのようにあちこちで悲惨なことになってました。でも本拠地に帰れば、世界チャンピオンを敵に回して立派な走りを見せるわけです。
 パスケットは11位に浮上、コロメは13位。小川毅士はちょっとあがって36位。この日の減点は8点でした。
 成田匠は54位に順位を上げてきた。でもまだ本調子という感じじゃないのかな。
 イリス・クラマーは146位。ドンナ・フォックスが直後の148位まで上がってきた。このフォックスってねーちゃんはノリがよくて楽しい。そういう若さが吸収の早さにつながってるんじゃないかな。イリスはこれまでライア・サンツ以外に負けたことはないけど、さて、どうなるかなぁ。
 ちなみに、火曜日のセクションを全部吹っ飛ばした伊藤さんは失格扱いだけど、意思があればまた走ることは可能。成績が出ないというのにあの荒野にでていくのは勇気がいることだと思うけど(杉谷は、その勇気がなくてマシントラブルでリタイヤしたとき、自動車で取材に回った)、翌年以降のことを考えたら、走っておいた方がいい。究極の選択を強いられるわけです。その前に、からだがまともじゃないとだめですけど。