春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

SSDT2007

 伝統のイベント、SSDTが始まっています。いつもは当自然山通信のエースライダー(エースとかすしかいないけど)杉谷真が現地で七転八倒する様子をお伝えするコーナーですが、今年は杉谷が書類選考落ちしました。それもまた、SSDTなんですね。


 SSDTに限らず、どんなトライアル大会にも定員がありますが、たいていの場合、定員を大幅にオーバーすることはないので、申し込めば全員参加できることが多い。過去にはイーハトーブトライアルなんて、なかなか参加が受理されないという高嶺の花の大会だったことがありました。SSDTも、杉谷が挑戦をはじめる頃までは参加者が少ない閑古鳥だったんだけど、その頃ちょうど、外部のサポートをある程度認めるなど、ストイックなSSDT精神を少し緩和したことが功を奏して、参加者は徐々に増大。トライアル王国スペインの猛者(トップライダーに限らず、一般の腕に覚えのあるライダーも含めて)が大挙出場するようになって、今度は定員オーバーに悩まなければいけなくなった。
 杉谷は初出場したとき、地元の名士とのパーティにお呼ばれしたりしているから、ジャーナリストということでSSDTでも存在価値を認めているのかと思ったけど、7年目で見事に落選。SSDTは参加受理についてはフェアにやっているということがこれで判明したわけです。今まで落選していたみなさん、ご安心ください。
 ところで、詮索が好きなみなさんは(どうも日本人は詮索が好きらしい)ではグラハム・ジャービスとかがくじ引きで敗れて参加できないこともあるのかと心配になると思うけど、これはない。実はSSDTにはプライベートのエントリーとファクトリーのエントリーがある。プライベートのエントリーは杉谷みたいな連中で、ジャービスとか、たぶん成田匠なんかもファクトリーからエントリーをしているはず。杉谷もファクトリーからエントリーすれば落選はないんだけど、エントリーフィーがむちゃくちゃ高い。SSDTへの協力費をエントリーフィーの中に含ませているという感じ。つまり杉谷は、エントリーフィーが払えないからファクトリー参加はできないのであった。
 さて今年の日本人の出場は、成田匠、小川毅士、伊藤美夫(関東)の3人の模様。静岡の猪倉さんの出場もあるかと思ったんだけど、1日目の結果表に猪倉さんの名前はないし、エントリーリストを見たら日本人は二人しか参加がなかった。小川毅士の国籍はイタリア人になっている。イタリアのチームから参加すると、こういうことになっちゃうわけだ(事細かに正しくやれば日本人としてエントリーできると思うけど、いろいろめんどくさいにちがいない)。
 1日目のスコットランドは、いつものことかもしれないけど、沢は水量が多く、ムーア(底なし沼)はどぼどぼ、沢の石や岩はこれでもかというくらいにつるつる滑る。
 初日のトップはジェイムス・ダビルだった。ジェイムスは、いまやまちがいなくイギリスのナンバーツーライダーになった。ドギーはSSDTにはずっと出ていないから(くたびれて、そのあとの仕事に差し支えるから)SSDTではやつがイギリスを背負って立つことになる。減点は8点。意外に減点が多い。きっと今年のSSDTはたいへんなんだと思う。
 2位は、ペン・ヘミングウェイ。2005年にドギーのマインダーを務めたこともあり、またデ・ナシオンにイギリス代表として参戦したこともある。ベンが10点で2位。3位はマイケル・ブラウン。世界選手権(ジュニアクラス)で見ると、マイケルは線が細そうに見えるんだけど、SSDTをこの成績が抜けてくるライダーに線が細いやつがいるはずがない。そのうち、きっと大化けする。マイケルの減点は11点。僅差だ。
 そのあと、スコットランド出身のガリー・マクドナルド11点、アレックス・ウィグ(125に乗っているんだろうか?)14点、こいつはニューカマー暮らす(初出場)でもトップを走っている。当然だけど。ジェイムス・ランプキン(ドギーの従兄弟で、去年はドギーのマインダーをやっていた)と続いている。
 トライアルを半ば引退したグラハム・ジャービスは8位。後半に減点を重ねている。11位にユースクラスで腕を上げているサム・ハスラム。このへんはイギリス人ばっかりで、14位にベータ4ストロークに乗るジョルディ・パスケットが入っている。ベータ4ストロークにとっては、いいテストであり、そこそこの成績で完走すればいいコマーシャルになるだろう。
 最近、世界選手権でも元気が内シャウン・モリスが減点29点で20位。と思ったら、タイムオーバーが17点もある。ということは、セクションはたったの3点で回ってきたということになる。やっぱりこいつらはただものではない。
 22位にマルク・コロメ。こちらはスコルパ4ストロークに勲章を与えようとがんばる。コロメとパスケットでは断然コロメの方が器が上だが、パスケットはSSDTは足しげく通って精通している。彼女でもいるにちがいない。コロメはがんばらないとパスケットに負けちゃう可能性も大だ。がんばってもいい成績が出せるとは限らないけども。26位にヘンリー・ランプキン。ドギーの弟ですね。弟はトライアルはあんまりうまくないという説もあるけど、それは兄貴に比べて、なのでした。
 このへんから聞いたことが内イギリス人ライダーがぞろぞろ出てきて(名前を知らなくても、みんなうまい人ばっかりだ。イギリスへいくと、イギリススペシャルのうまい人がいっぱいいて、びっくりします)38位に減点40点、タイムオーバー9点で小川毅士。
 SY200Fで出ている成田匠の名前がなかなか出てこない。成田は64位でした。減点50点ちょうど。タイムオーバーはなし。タイムオーバーなしというのが、SSDTではひとつの勲章です。成田はどんなマシンで出場しても順位が変わらないというジンクスがあって「またおんなじかなぁ」とつぶやきながら旅立っていったが、今のところは、いつもの順位より悪いです。
 伊藤さんは228位。タイムオーバー7点はまずまず。減点105点。このペースで6日間を走り続けられればたいしたものですが、どうなりますか。
 いつも杉谷がいじめられている女性陣の方は、トップがイリス・クラマー(今年はスコルパ)で147位。163位にドンナ・フォックス(初出場)、ケティ・サンターが171位。フォックスとサンターだと、女性世界選手権では圧倒的な差がつくんだが、SSDTを知っているサンターと初出場のフォックスだとわりと接戦になるみたいです。最後は名前を知らないR・Rennisonってのが233位。タイムオーバー17で減点109。女性陣はこの4名が参加している。