春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

野崎ベルドンで有終の美?

表彰台

 昨年、自然山の二人を含めて6人の日本人が参加したフランスのベルドン5日間トライアルが、今年も8月23日〜27日まで開催された。
 この大会、すっかり常連となった野崎史高が今年も参加し、そして圧勝した。来年の大会開催があやういという話もあって、ひょっとすると、野崎はベルドン最後の勝利者となるかもしれない。


 ベルドントライアルは、南フランスのプロバンス地方で開催されるトライアル(世界にはツーリングトライアルという概念はないが、無理やり日本に当てはめるとツーリングトライアルの仲間に入る。でも、3人一組、相互採点、仲よく完走の概念は、ベルドンにはない)。毎日ゴール地点を移動しながら、最後はアルプスの山の中腹まで駆け登る。壮大なマウンテントライアルだ。

野崎セクション
トップクラスのラインはこんなの

 今年は、なぜかSSDTと同じくノーストップルールが採用されていた。そのかわり、コースもセクションも、昨年より少し難易度が下げられていて、走りやすくなっていたということだ。
 野崎は1日目からトップをキープして、5日間を独走。ベルドンの初優勝を達成した。ベルドンにはいくつかのクラス設定があって、野崎らトップライダーが走るのは、もちろんもっとも難易度が高いライン設定がされている。もっともやさしいラインは、NBクラスよりソフト。でも組み合わせが上手で、レベルは高かった。

●ベルドン5日間上位陣の結果

Pos. Rider Nation
1 野崎史高 日本
2 グラハム・ジャービス イギリス
3 ブルーノ・カモッジ フランス
4 マルセル・ジュストリボ スペイン
5 フレデリック・ボッシェ フランス

デモ中の野崎
夜、トップライダーはデモライダーに変身

 昨年は5日間とも晴れ。ベルドンは伝統的に雨が降ったことがないそうだが、今年は最終日のみ、土砂降りだった。山の上だから、雨が降ることもありえるわけで、今までが幸運だったというだろう。
 トップライダーは、昼間の大会が終わってから、夜になってデモンストレーションのお仕事がある。スタート&ゴールの街に設営された特設セクションで、街の人向けにハイテクニックを披露する。昼も夜もトライアルだから、トップライダーの仕事量は半端ではない。
 来年の開催については、野崎が主催者とのお話の中で聞いたという。運営上の都合で、もしかすると開催は今年で最後になってしまうかもしれないということだ。

トライ中の野崎
フランスの素人ライダーの前で
切れのある走りを披露する野崎史高

 アルプスの山を駆け回る最高のロケーションだから、本当になくなってしまうとなんともさびしいが、ヨーロッパのトライアルもこんなふうになくなったりするのだから、やっぱり出ようと思ったときが出るべきとき。海外のトライアルは、みなさんを待っています。