春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

トライアル・デ・ナシオン

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 トライアル・デ・ナシオン2005、イタリア・セストリエーレ大会は、9月25日に開催された。
 イギリスは、スティーブ・コリーがいよいよデ・ナシオンからも引退して、かわりに2003年ジュニアチャンピオンのシャウン・モリスがメンバーに加わった。世界選手権の成績的にはスペインが圧勝、日本がこれに続き、イギリスは3位が妥当というのが、事前のあたりまえの予想だったが、そのとおりにことが運ばないのが、トライアルの常だ。

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 セクションはダイナミックで、ずるっと滑って5点になるポイントも多かったが、実はクリーンができるセクションも多かった。そんな中、チーム成績を確実にまとめてくるのが、イギリスの強さだ。1ラップ目の減点はたったの5点。スペインの9点、日本の10点に対して優位に立ったと思われた。
 しかし日本が1ラップ目の17セクションに到着した頃、雹が降ってきて、その後雨に変わった。岩はことごとく滑りやすくなって、1ラップ目と2ラップ目は状況が一変した。

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 しかし、そんな中でも雨は降ったりやんだりして、走るタイミングによって、コンディションは微妙に変化した。1ラップめにはクリーンセクションだった13セクションでは、スペインがラガ以外がすべて5点となって10点を追加。しかし次の14セクションは、スペインが走り終えたあと雨が降り出し、一転難度の高いセクションとなった。ここでイギリスと日本はフルペナルティの15点をとってしまった。
 さらに日本は、後半時間ぎりぎりからわずかに遅れて、7点のタイムオーバーを加算した。これでイギリスに10点差の3位が確定した。
 しかし天気に翻弄されるまではスペインとは熾烈なトップ争いを展開したことで、ライダーの満足感はこれまでにもっとも大きかったようだ。「戦ったという実感がある」と黒山がいえば「試合になっていた」と藤波も言う。風邪に悩まされた渋谷は、しかし体調不良をものともせず、切れのある走りをそこここで見せた。「足を引っ張ってしまった」というが、渋谷の貢献度は大きい。もちろん世界選手権の一員としてすっかり定着し、安定度を増した野崎の走りも光っていた。4にんの走りががそれぞれに光って、トップ争いの展開した結果の3位だった。

世界選手権クラス(グループA)5位までの結果

Pos. チーム 1ラップ 2ラップ タイムオーバー total Clean
1 スペイン 9 24 0 33 115
2 イギリス 5 40 0 45 103
3 日本 10 38 7 55 99
4 イタリア 36 83 0 119 70
5 フランス 69 111 0 180 56

デ・ナシオンについてはTDN紹介ページもご参照ください。
過去のTDNのリザルトを一覧した表もあります。