春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ボウ、辛勝

08Luxボウ

 世界選手権開幕戦ルクセンブルグGPは、晴天のもと終了。1位から4位までが僅差の戦いだったが、最後にわずか1点差でチャンピオン、トニー・ボウの勝利となった。
 2位は不調の1ラップ目から追い上げたアダム・ラガ。
 1ラップ目に2位につけた藤波は2ラップ目に調子を落として3位となった。

08Luxラガ

 朝は滑りやすい泥地獄、昼過ぎに、雨が降るという情報もあって、乾くのを待つのがいいのか早めに走ってしまった方がいいのか、ライダーは悩むところとなった。
 ほぼ全員がクリーンしたのは第1セクションのみ。第2セクションからは、誰が5点をとってもおかしくない展開となった。そんな中でも、第1セクションで唯一1点減点してしまったラガは、その後挽回するどころかミスを連発して、1ラップが終わったところではドギー・ランプキンにも5点リードを許す4位に甘んじてしまっていた。
 1ラップ目、ラガにはミスが多かったが、それでもランプキンの活躍は素晴らしかった。チャンピオン時代の復活とまではいかないものの、往年のコンセントレーションが戻っているようだ。マシンをベータに戻したことで、いとこのジョン・ランプキン(イギリスのベータ・インポーター)のサポートも復活している。これまでベータ党とモンテッサ党に別れていたランプキン一家が、ベータ一色に戻った強さにも感じられる。
 もっとも、滑りやすく粘る泥との格闘は、イギリス人ランプキンにとっては本領発揮のシチュエーションだったかもしれない。

08Lux藤波

 藤波は、5点もとるがクリーンもするという試合運びを見せた。トータルの5点は6個で、ボウの5個、ラガの4個より多いが、クリーンも13。ボウの16には及ばないものの、ラガの11には勝っている。2ラップ目に減点を増やしてラガの追撃を許したのが悔やまれるところだが、試合展開としては優勝戦線にぴたりと入っているから、今年の藤波は去年とはちがう、その証明となった。
 優勝争いは、ボウのリードで進むも、ラガが2ラップ目に大復調。ボウも2ラップ目には減点を減らしてきたが、それでも勝利はリザルトボードに発表になるまで、確証がなかったようだ。
 結果は、ボウに1点のタイムオーバー(1ラップ目)があり、トータル43点。ラガがタイムオーバーナシで44点。わずか1点差で、08年開幕戦はチャンピオン、トニー・ボウが制したのだった。
 ジュニアクラスでは、06年ユースクラスチャンピオンのアレックス・ウイグ(イギリス)が、07年ユースチャンピオンのアルフレッド・ゴメスを10点引き離して勝利した。3位はイタリアのマテオ・グラッタローラ。

08Luxタレス

 ユースクラスでは、初参加のフランチェスク・モレットが勝利した。モレットはチームタレスからのエントリーで、マインダーを務めたのはジョルディ・タレスだった。モレットは英語が話せないというので(こっちはスペイン語が話せない)、かわりにタレス御大にインタビュー。
「初参加で優勝なんて、予定通りのわけがない。おおいにびっくり。シリーズチャンピオンなんてとんでもない。まだまだトレーニングを積まないとね」
 とのことでした。

Pos. Rider 1Lap 2Lap Time Total Clean
1 トニー・ボウ 24 18 1 43 16
2 アダム・ラガ 30 14 0 44 11
3 藤波貴久 25 28 0 53 13
4 ドギー・ランプキン 25 32 0 57 10
5 アルベルト・カベスタニー 36 22 1 59 8
6 ジェロニ・ファハルド 45 31 2 78 7
7 マルク・フレイシャ 44 38 0 82 10
8 ジェイムス・ダビル 46 55 0 101 4
9 マイケル・ブラウン 59 46 0 105 5
10 ダニエル・オリベラス 64 41 0 105 4
11 ジェローム・ベシュン 62 46 0 108 3
12 ダニエレ・マウリノ 57 54 0 111 5
13 ジョルディ・パスケット 62 54 0 116 3
14 シャウン・モリス 67 59 0 126 2
15 カルステン・ストランコファ 75 63 0 138 0

ジュニアカップ

Pos. Rider Nation Total
1 アレックス・ウイグ イギリス 29
2 アルフレッド・ゴメス スペイン 39
3 マテオ・グラタローラ イタリア 40
4 ヨッヘン・シェーファー ドイツ 40
5 ロリス・グビアン フランス 41
6 サム・ハスラム イギリス 49

ユースカップ

Pos. Rider Nation Total
1 フランチェスク・モレット スペイン 52
2 ジャック・シャロナー イギリス 53
3 パトリック・スメージ アメリカ 55
4 アドリアン・パストリザ スペイン 64
5 ポウ・ボテラ スペイン 66
6 タンギ・モッティ フランス 68