春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ライア快勝……

08ライア

 女性世界選手権開幕戦は3月29日ルクセンブルグで開催された。前日に降った雨で泥の斜面は滑りやすく、ライア・サンツといえどもオールクリーンはむずかしい。減点を重ねて、イギリスのレベッカ・クックの追撃を許すかとも思えたが、最後には王者らしい快勝ぶりを見せた。
 2位はレベッカ・クック。3位は2007年世界チャンピオンのイリス・クラマーが入った。
 3位までの表彰台の顔ぶれはこの数年変わっていないが、イギリス勢の台頭、若手の進出など、女性トライアルの世界も確実に変化が起こっている。

 イギリス人クックは、昨年に増してたくましくなった。バランスを崩しても足を出さない、1点を大事に走る……。1ラップ目、ライア10点(5点ひとつ)に対して20点とダブルスコアをつけられたのは、まだまだ差は大きいと評価すべきか、チャンスが訪れる日も遠くないと見るべきか。
 昨年、たった2戦になった世界選手権で王者ライア・サンツに土をつけたイリス・クラマーに代わって、打倒ライアの最右翼に名乗り出たのが、レベッカ・クックだ。
 ゼッケン1をつけたイリス・クラマーは、序盤から減点がかさんで今回はチャンスなしの様相だった。

08Luxイリス
イリス・クラマー

 1ラップ目28点は3位を守ってはいたが、4位のマリア・コンウェイが29点と僅差に迫っている。
 驚くべきは、4位から6位までイギリス人が占めたことだ。07年TDNでの優勝チームだけのことはある。TDNの代表選手は3名だが、イギリスはまだまだ層が厚いということだ。
 7位は、ドイツのロシータ・イオリタ。さらに7位にはアイルランドの(いかにも生意気そうな)小娘、サーシャ・ターキントンが入っている。うまいけど線が細かったターキントンだが、今回はがぜん強くなっている。ターキントンは、翌日のユース125クラスにも参戦する。
 ターキントンだけではない。2位に入ったレベッカ・クック、ドンナ・フォックスは、やはり翌日のジュニアクラスに参戦。過去、イリス・クラマーがユースクラスに参戦してその難度の高さに数戦参戦ののちに撤退した経緯がある。さて、彼女たちはどんな結果を残すだろうか。

Pos. Rider Machine Nation Lap1 Time Lap2 Time Total Clean
1 Laia Sanz Montesa Spain 10 0 1 0 11 22
2 Rebekah Cook GasGas UK 20 0 6 0 26 16
3 Iris Cramer Scorpa Germany 28 0 15 0 43 12
4 Maria Conway Beta UK 29 0 24 0 53 10
5 Donna Fox Sherco UK 36 0 19 0 55 7
6 Emma Bristow GasGas UK 36 0 26 0 62 7
7 Rosita Leotta GasGas Germany 38 3 25 0 66 6
8 Sasha Turkington GasGas Ireland 44 0 27 0 71 4
9 Sandrine Juffet GasGas France 45 3 30 0 77 4
10 Ina Wilde Sherco Germany 52 0 39 0 91 2
11 Carla Calrderer GasGas Spain 58 0 34 0 92 2
12 Maryline Journet GasGas France 50 0 42 0 92 1
13 Maddalen Aizpurua GasGas Spain 50 9 36 0 95 3
14 Katy Sunter GasGas UK 55 2 39 0 96 3
15 Connie Ludvigsen Sherco Norway 56 0 43 0 99 2