春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ワールドゲームズ

ワールドゲームスパンフレット

 来る7月22〜23日、ドイツでワールドゲームスワールドゲームズ藤田秀二さんよりご指摘をいただき修正しました。ワールドゲームズ協会にも確認していただいたとのこと。ご指摘ありがとうございました。が開催され、ここでトライアル競技が公開行儀として開催される。
 ワールドゲームズとは、オリンピック競技やオリンピック競技種目以外の競技で開催される国際スポーツ大会で、これにインドアトライアルが参加することになった。
 トライアルを(二輪モータースポーツを)オリンピック競技に、という動きは数年前から続けられている。今回のワールドゲームズも、その流れの一環だと考えていいだろう。 ちなみに、前回のオリンピックゲームスは、2001年に秋田で開催された。


 会場は「Konig-Pilsener-ARENA(Oberhausen)」で、参加ライダーはこんな感じ。
●スペイン
 マルク・フレイシャ/ジェロニ・ファハルド/アダム・ラガ
●イギリス
 スティーブ・コリー/グラハム・ジャービス/ドギー・ランプキン
●日本
 藤波貴久/黒山健一/野崎史高
●イタリア
 バレリオ・バウチェ/ミケーレ・オリジオ/ダリオ・デレーレ・ガンディーネ
●フランス
 クリストフ・ブルオン/ブルーノ・カモッジ/クリストフ・カモッジ
●ドイツ
 カールステン・ストランコファー/ ULZHEIMER STEFFEN/WASSERMANN CHRISTIAN
 カベスタニーの名前がないが、パドックのうわさでは、条件の悪い興行イベントにはでたくないと、いつものわがままがでている模様。ただしパドックのうわさだから、真相はわかりません。
 試合のシステムはインドアでナシオンのそれと似たようなものになると思われるが、インドアでナシオンのセクションをそのまま持ち込んでは、トップ3カ国のライダー以外は事実上走れないから、さて、どんなセクションになるのだろうか?

 IOCがFIMを加盟団体としたとき、性急な方々は、トライアルがすぐにでもオリンピック競技になるのではないかといきりたったけれど、まぁそんなことはない。世の中の人々は、たいていせっかちだ。裏金が大量に動いたり、手段を選ばない事業だとご希望のペースでことが進むのかもしれないが、トライアルとオリンピックの関係は、正直に進展しているので、期待通りには進まない。ただし、後退してもいない。
 ライダーとしては、こののんびりしたキャンペーンへの協力を要請されるのだが、ライダーもシーズンのど真ん中に、たいへんなのである。

 ところで、このたびIOCは、野球とソフトボールをオリンピック競技からはずすことを決定した。「世界的な普及度の低さなどから支持を得られない」というのが理由だそうだ。競技力が一部の国・地域に偏っていることも、オリンピック競技からはずされた理由になっている。
 となれば、事実上たった3カ国の選手で競われている現在のトライアルが、オリンピック競技になるためには、そうとうたいへんな努力が必要ということになる。ギリシャやロシアや、アフガニスタンや聞いたこともない小さな国の選手までが、みんなが楽しんで競技に参加できる「世界選手権」の確率が、オリンピック競技となるには必須の条件のように思える。
 どんどん先鋭化していくトップグループのライディング技術はほれぼれするものだが、同時にレベルの格差も広がっている。オリンピック云々とは離れてみても、これはむずかしい問題なのである。
 今回のオリンピックゲームスは、そういった点で、従来のトライアル競技とちがう試合システムをためすいいチャンスだと思っていたのだが、どうもあんまり画期的なものではないようだ。たとえば高飛び競技みたいに、全員がトライできる難易度の低いところから始めて、だんだん難度を上げていくなどの競技はできないものか、などと思うのだが、トライアル改革も、なかなかむずかしいようである。

○追記○
 この、オリンピックとトライアル問題について、興味深いドキュメントがあった。「テコンドーはどうしてオリンピック種目に残ったのか」というもので、テーマはテコンドーについてですが、トライアルとオリンピックの将来について予測する場合の材料がたくさん並んでいます。
 トライアルが(正確に言えばモーターサイクルスポーツが?)オリンピックの認可競技の仲間入りをしたのは、サマランチ会長がスペイン人であり、ベルネダFIMトライアル委員長がスペイン人であり、またFIMのオフィスがIOC事務所の隣にあったという背景がささやかれているのだけど、真相はいかに?
 それにしても、採点の公平さとか、世界中での普及度など、ここで語られていることは、トライアルについてもまったく同じことがいえるような気がして思わずうなってしまいました。