春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

血と汗の勝利、ボウ2勝目

08グラナダ流血のボウ

 インドア世界選手権第3戦グラナダ大会(スペイン)。
 勝利は、開幕戦に続いて再びトニー・ボウのものとなった。2位はアルベルト・カベスタニー。藤波貴久が、今年初めてファイナルに進出して3位で表彰台に登っている。
 ボウは、クォリファイで眉間を割るアクシデントに遭遇したが、応急手当てをして試合を走りきっての勝利だった。

08グラナダ表彰台

左から、カベスタニー、ボウ、藤波

 クォリファイラップ(7セクション)を、ジェロニ・ファハルドとジェイムス・ダビルに次いで走ったのは、前回優勝のアダム・ラガだった。有力選手に先駆けて自分が試走者となってしまうのは大いに不利だが、前回のボウも同じ条件だったから、文句をいってもいられない。
 ダビルはほとんどのセクションで5点を喫したが、さすがにトップライダーは手堅くまとめる。ラガは第5セクションで5点となったほかは、第4で1点をとったのみ。続いて走ったボウは、第5の5点のみ。ドギー・ランプキンは22点と大量減点でまたしてもワイルドカードのファハルドに5位の座を奪われることになった。ランプキンに続いたのが藤波で、藤波は第5の5点(ここは全員5点のセクションだった)のほか、第1と第6で1点をついて7点。最後に走ったカベスタニーはボウ同様5点で、ファイナルへのトップ争いはボウとカベスタニーで、ファイナル進出の最後の一席の争いは、ラガと藤波の間で争われることになった。トップ二人が5点、ラガが6点、藤波が7点と、今回はトップ4人がほかの3人を大きく引き離してのリザルトとなった。藤波が、スペイン人トリオに切り込んできた。
 ラガとカベスタニーのダブルレーンの戦いはボウが勝利。そしてラガと藤波の勝負は藤波が勝利した。開幕戦ではボウとのダブルレーンの勝負に敗退して、藤波はファイナルへの進出を阻まれていたから、今回は雪辱戦だった。藤波が勝って、ラガとは同点の7点。7セクションの走行タイムは46秒差で藤波の勝ち(藤波のほうが7セクションを短い時間で走破していた)。ラガが第3戦目にして、はじめてファイナル敗退を喫した。

08グラナダ・カベスタニー
08グラナダの藤波

カベスタニー(左)と今季初表彰台の藤波

 そしてファイナル。第1セクションはカベスタニーと藤波が5点となる中、ボウはタイムペナルティの1点のみでクリーンして幸先のいい幕開け。しかし次の第2セクションでクラッシュ。眉間を切る負傷を負ってしまった。
 第2セクションは二人のライバルもすべて5点だったからここでの痛手は大きくなかったが、応急手当てのために第3セクションを走れなかったのは痛かった。第3セクションはカベスタニー、藤波ともクリーン。第1セクションでのアドバンテージを使い果たして、ボウはケガともに点数のハンディを負ってライバルを追撃することになった。
 しかしここからはさすがにボウ。眉間から流血しながら、第4セクションをクリーン、ダブルレーンでも藤波とカベスタニーに勝利して、最後はカベスタニーに7点差をつけてシーズン2勝目をあげた。藤波はカベスタニーに2点差で3位。第7セクションで5点となっただけ、カベスタニーより減点を多く献上してしまって2位を逃すことになった。
 しかし藤波は、シーズン初めての表彰台。ランキングでは、ボウがカベスタニーを6点引き離し、さらに1点差でラガ、藤波はラガに5点差でランキング4位となっている。
クォリファイ
1 トニー・ボウ       5
2 アルベルト・カベスタニー 6
3 藤波貴久1        7
4 アダム・ラガ       7
5 ジェロニ・ファハルド   17
6 ドギー・ランプキン    22
7 ジェイムス・ダビル    33
ファイナル
1 トニー・ボウ       17
2 アルベルト・カベスタニー 24
3 藤波貴久         26
ランキング
1 トニー・ボウ       28
2 アルベルト・カベスタニー 22
3 アダム・ラガ       21
4 藤波貴久         16
5 ジェロニ・ファハルド   12
6 ドギー・ランプキン    8
7 ジェイムス・ダビル    7
8 ジェローム・ベシュン   1