春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

インドア開幕戦はボウ

08Marseilleボウ

 2007年インドア・アウトドア両クラスのチャンピオン、トニー・ボウが、2008年の世界選手権の開幕戦たるインドア世界選手権第1戦に勝利した。
 2位は4ストロークのシェルコに乗りはじめたばかりのアルベルト・カベスタニーが入った。3位は今や少数勢力となったアダム・ラガ。
 トップ3の顔ぶれは見慣れたものとなったが、このリザルトの影に、藤波貴久の存在があった。藤波は4位、ベータに乗り換えたドギー・ランプキンは7位で、ジェローム・ベシュンと最下位を争った。


 インドア世界選手権開幕戦は、1月19日土曜日、フランスの港町、マルセイユで開催された。1位ボウ、2位カベスタニー、3位ラガというファイナルの表彰台の顔ぶれは、2007年のランキング順そのまま。今年も変わらず、といいたいところだが、内容的には変化の兆しが見られている。
 去年はモンテッサだけが4ストロークだったインドア世界選手権(ノミネートライダーの中では)だったが、今年はカベスタニーが4ストロークライダーの仲間入りをした。
 そして4ストロークライダーの先駆者のひとりだったランプキンは、2ストロークで「あと1勝」をめざすことになった。
 そんな変化の中、成績的には去年と同様だが、藤波貴久が気を吐いた。
 クォリファイラップでトップをとったのは4ストロークでのデビュー戦となったカベスタニーだった。4点。続いてラガの6点。それに続く、ファイナル進出の最後の席を争ったのが、ボウと藤波だった。ふたりの減点はともに11点ながら、7つのオブザーブドセクションを9分2秒で走ったボウに対して、藤波は11分53秒(タイムオーバー減点を2点ちょうだいした)。同点の場合はこのタイム差が少ないものの上位と決まっているので、ボウのファイナル進出が決定したというわけだ。
 もし藤波が規定時間内で7つのセクションを走破していたら減点は8点(その後、ダブルレーンが行われる。ここで、ボウは藤波に勝利して、同点に追い上げたわけだ)で堂々とファイナルに進出したことになる。ただし、この日はボウをのぞく全員がタイムオーバー減点をくらっている。そういうセクション設定だったわけで、藤波のタイムオーバーがなかったら、はあくまでも後の祭りだが、今年の藤波が、トップグループに切り込んでいく可能性を充分に感じることができた1戦だった。

08マルセイユ表彰台

 ファイナルでは、ボウはライバル二人に頭ひとつ出た状態で戦いを進め、2点差でシーズン最初の勝利を得た。カベスタニーとラガは同点でダブルレーンを含む8セクションを終了したため、プレイオフが行われて、その結果カベスタニーが勝利。結果的に、2007年のランキング通りとなった1位から4位までだったが、シーズンが進むにつれて、変化の予感が現実となるかどうか、注目の2008年が始まった。
 次なるインドア世界選手権は、2月3日バルセロナで行われる。
【トニー・ボウのコメント】
「今日はとてもいいスタートが切れた。シーズン最初の1戦は、今シーズンの戦いを進めていくうえでとても重要だ。このリザルトは、なんとも幸先がいいものになった。今年のカベスタニーは、ものすごく強敵だね。新しいマシンとも相性がいいようだ。ライバルの挑戦は、受けて立つ」

08マルセイユ・カベスタニー

【アルベルト・カベスタニーのコメント】
「今日はとてもいい結果が残せた。新しいマシンはとても快適で、今まで乗っていた2ストロークマシンよりよい性能を持っていると断言できる。このマシンに乗りはじめたのはまだわずかな時間で、調整も完璧ではない。しかしこのマシンとともに自分が成長することには自信がある。きっと、いいリザルトを残してみせる」
【アダム・ラガのコメント】
「開幕戦の3位は、そんなに悪い結果じゃない。ファイナルでの結果を見ても、ほんの2点差で優勝をのごしたわけだからね。今は手を負傷していて、この数週間練習ができていなかった。勝負はこれからだ」
クォリファイラップ
1.アルベルト・カベスタニー  4点
2.アダム・ラガ        6点
3.トニー・ボウ        11点
4.藤波貴久          11点
5.ジェロニ・ファハルド    19点
6.ジェイムス・ダビル     20点
7.ドギー・ランプキン     26点
8.ジェローム・ベシュン    26点
ファイナル
1.トニー・ボウ        8点
2.アルベルト・カベスタニー  10点
3.アダム・ラガ        11点