春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ボウ、桁違い。Xトライアル開幕

 2012年の世界選手権が開幕した。まずはXトライアル。いわゆるインドア世界選手権だ。ノミネートライダーによるショーとしての味わいも深いトライアル勝負。
 しかしこの勝負、いよいよトニー・ボウの圧倒的強さが際立っている。開幕戦、ドイツ国境に近いフランスのストラスブールでは、ボウの減点がたったの2点なのに対して、2位のラガが21点と、まさに桁のちがう強さを見せつけた。
 藤波貴久はファイナルに残り、2位争いの末、4位。3位カベスタニーと同点の22点だった。

1201XトライアルR1優勝のボウ

Phoro : G2F / F.I.M.

 ルールは昨年同様。最初に全員でクォリファイラップを走る。今回は5セクションを5分間の設定。持ち時間をすぎるとペナルティがある。この減点によって、上位6名かセミファイナルに進出。7位以下はここで敗退だ。同点の場合は、同点決勝が行われる。セクションひとつだけの勝負だ。
 セミファイナルは、最初にダブルレーン。クォリファイの結果に準じて一対一で勝負をする。勝てば減点ゼロ、負ければ1点。
 これに続いて4セクションを走って減点数を競う。クォリファイとちがって、セクションをひとつずつ全員で走っていく。トライ順はクォリファイの下位からになる。持ち時間は1セクションごとに1分。これをすぎると30秒に1点ずつ減点だ。
 これで順位が決まると、上位4名がファイナルに進出する。2名はここで敗退となる。
 ファイナルは、最初に総当たり戦でダブルレーン。ひとりが3回ずつ走ることになる。
 続いて3セクションを使って最後の決戦。勝負は、セミファイナル、ダブルレーン、そしてファイナルの3セクションの減点をすべて足して競われる。これで同点になった場合は、クォリファイの結果が上位のものが、上位となることになっている。

1201X_1_r.jpg

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 クォリファイをラガと同様にオールクリーンしたボウは、セミファイナルでもオールクリーン。ファイナルのダブルレーンで藤波に負けて1点減点をとり、ファイナルの二つ目のセクション、全員が5点となったセクションをクリーンして、タイムオーバーの1点。合計2点で試合を走りきってしまった。どちらも足つきの減点ではないから、この試合、ボウはついぞ一度も足をつかなかったことになる。
 クォリファイの結果を見ると、ラガがもうちょっとボウに迫ってもよかったような気もするが、ダブルレーンで3点の減点をし、クォリファイで抜けられたセクションで5点になるなど、ちょっと不本意なところもあったようだ。
 ファハルドはベータでの復帰第一戦となるが、好調だったクォリファイから一転、ダブルレーンでカベスタニーに敗退して1点を失うと、クォリファイでは1点で抜けていたセクションで5点になって、ファイナルには残れなかった。
 藤波はクォリファイを6位と最後の一席でセミファイナルに進出したが、そこから2位に肉薄する戦いぶりを見せた。最終的には2位ラガに1点差、3位カベスタニーとは同点だったが、同点の場合はクォリファイの成績に準じるというルールにのっとり、4位に甘んじている。

1201XトライアルR1のボウ
1201XトライアルR1のラガ
1201XトライアルR1のカベスタニー
1201XトライアルR1の藤波
1201XトライアルR1のファハルド
1201XトライアルR1のグビアン
1201XトライアルR1のブラウン
1201XトライアルR1のゴメス

Xトライアルのノミネートライダーたち。左上から、トニー・ボウ(モンテッサ・スペイン)、アダム・ラガ(ガスガス・スペイン)、アルベルト・カベスタニー(シェルコ・スペイン)、藤波貴久(モンテッサ・日本)、ジェロニ・ファハルド(ベータ・スペイン)、ロリス・グビアン(ガスガス・フランス)、マイケル・ブラウン(ガスガス・イギリス)、アルフレッド・ゴメス(モンテッサ・スペイン)。みんなが揃ってバッテンしているのは、ダメ出しているのではなく、XトライアルのXです。念のため