春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ボウ、4連勝でXトライアル前半戦を終了。モンテッサ表彰台独占

アウトドアシーズン開幕を前に、2024年Xトライアル前半最後の戦いは、スイスのジュネーブでの開催となった。スイスでXトライアルが開催されるのは、なんと13年ぶりだという。

ここでも、トニー・ボウは圧勝だった。Xトライアルは、ラウンド1(1ラップ目)、ラウンド2(2ラップ目)を戦い、そのトータルでファイナル進出を争う。それぞれのラウンドは、ひとりずつラウンドのセクションを一気に走る。持ち時間はセクションごとでなく、ラウンドにまとめて設定されているから、一つ一つのセクションをゆっくり走ることもできないし、セクションに時間をかけすぎたら、タイムオーバー減点も痛いが、数分間数セクション、まったく休みなしに走らなければいけないのもつらい。Xトライアルについては、高く険しいセクション群には目を向けやすいが、このタイムコントロールについては見落とされがちだ。


ラウンド1、ラウンド2は予選と称されることもあるが、それぞれのラウンドの勝者には、チャンピオンシップポイントが 1ポイントずつ与えられる。だから単なる予選ではない。開幕2戦はボウがこの両ラウンドを含めてパーフェクト勝利しているが、第3戦ニースのハイメ・ブストに続き、今回はガブリエル・マルセリがラウンド1を制してボウのパーフェクトを阻んでいる。

そしてファイナルに進出しての表彰台争いは、ここまでの3戦はボウとマルセリ、ブストの3人に固定されていた。ところが今回、そのブストを1 点差で制してファイナルに進出したのは、トビー・マーチンだった。マーチンはUK(イギリス)・ホンダのサポートを受けていて、メーカー名がモンテッサでなくホンダとなっているが、マーチンが乗るのはボウとマルセリのファクトリーマシンCotaとほぼ同形機だ。開幕戦6位、第2戦第3戦を4位として、ついに表彰台獲得のマーチンは、ランキングでも4位をキープしている。

ランキング2位争いは、今回ブストが4位となったため、マルセリが一歩リードをとった。今回ラウンド 1を制した1ポイントも、このランキング争いにはおおいに効いている。

そして今回、Xトライアル初登場となるのがEMのガエル・シャタニュ。EVマシン出場条件が整っていないということで、ここまで初登場がのびのびになってしまったということだが、同じフランスのブノア・ビンカスに続く6位を得た。シャタニュは125cc(T3)チャンピオン経験者でもあり、もともと実力のあるライダーだが、EMに乗るまでは特に目立った実績もなかったから、この6位はなかなかの金星だった。T2クラスでは上位入賞しているものの、Xトライアルはトップカテゴリーだからだ。

今回、Xトライアルのノミネートからはアダム・ラガが外れた。Xトライアルは国籍やメーカーのバリエーションも配慮して登場ライダーが選ばれるが、ラガが残した連続6位はスペイン勢4人目としては、充分な成績ではなかったということだ。マテオ・グラタローラは3戦連続7位とラガには劣るが、唯一のイタリア代表として参加が続いている。

ホンダ・モンテッサのファクトリーマシンが表彰台を独占した。左からマルセリ、ボウ、マーチン
Pos.RiderRound1Round2Sub.
Total
Final
12345S.T.1234S.T.123456Total
1トニー・ボウ0055010000551511555522
2ガブリエル・マルセリ101158035081655155526
3トビー・マーチン1351515135092435555528
4ハイメ・ブスト00555150550102525
5ブノア・ビンカス1155517025292626
6ガエル・シャタニュ15555211555163434
7マテオ・グラタローラ52515185555203838
8ノエ・プレターリ55555251555164141