春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

シェフィールドはボウ、ラガ、ブスト

新年早々の1月13日(土曜日・夕方5時から)、イギリスはシェフィールドで、伝統のインドア大会が開催された。優勝はトニー・ボウ、2位にシェルコとの関係を始めたばかりのアダム・ラガが入り、3位がハイメ・ブストだった。

この大会、タイトルをDL12インドアトライアルと称する。DL12とはドギー・ランプキン12の意であり、12はランプキンの世界タイトル獲得数を意味している。アウトドアタイトルが7回(1997〜2003)、インドアタイトルが5回(1997〜2001)で、計12回となる。

シェフィールドは、イギリス中部の大都市で、イギリスオフロード界の雄であるランプキン家のあるシルスデンに近い。ここではドギー・ランプキンが現役の時代から、新年を祝うような一戦としてインドア大会が開催されている。世界選手権Xトライアルシリーズの1戦となったこともあるが、最近はノンタイトル戦として開催されている。ノンタイトルとして開催したほうが、大会の自由度は大きいということのようだ。

ランプキンが現役の時代から、父親であるマーチン・ランプキンがセクション設定などを手がけていたが、近年では、ドギー・ランプキンがプロデュースをしている。藤波貴久や黒山健一も招待されて参加したことがある。

今回の参加選手は8名。当初予定されていたマテオ・グラタローラは練習中の負傷で参加できなくなり、変わって急きょミケル・ジェラベルトが参加することになった。国籍としては、スペイン勢が5名、イギリス勢が3名となる。イギリスの3名は新進気鋭、上り調子のトビー・マーチンとT2チャンピオンを獲得したビリー・グリーン、若手の注目株ハリー・ヘミングウェイという顔ぶれだ。

8名によるヒート(予選)では、6セクションとふたつのスピードレースが設けられている。近年のXトライアルにスピードレースは用意されていないから、このあたりがXトライアルと別路線をゆく意義があるのだろう。

ここではボウが順当に強く、ブストとガブリエル・マルセリが同点で2位3位を分けた。若いヘミングウェイはジェラベルトに1点差の7位と、まずまずのデビューを果たしたのではないだろうか。ラガは3位のマルセリにダブルスコア以上で4位につけてファイナルに進出した。

ファイナルにはラガまでの4名が参加。これも6つのセクションとふたつのスピードレースが用意された。

ボウは超難関の第5セクションでの5点以外、すべてをクリーン。タイムオーバーの2点を加えて7点で競技をまとめて勝利した。今年もボウのパフォーマンスは圧倒的だ。

2位争いは熾烈だった。マルセリが4つの5点で後退したが、ラガとブストは一歩も譲らず。キレのよいライディングでブストはクリーンを重ねるが、5点が3つとあって苦しい戦いになった。ラガは5点ふたつ、その他減点で4点を追加してブストに1点差で逃げ切り。シェルコでの初大会を2位表彰台で飾った。まだまだ、ラガの威力はあなどれない。

写真:dl12indoortrial.co.uk sherco.com