春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ヤマハ、北海道大会から新型TY-Eを投入

2023年シーズン、黒山健一とヤマハ発動機は、電動マシンTY-Eで全日本選手権を戦っている。その新型が、全日本選手権第5戦、北海道・和寒大会にデビューするとの発表があった。

TY-Eは2018年にデビュー、世界選手権エレクトリッククラスでランキング2位となり、2019年も継続参戦して、再びランキング2位となっている。

2022年にはTY-E 2.0と進化して世界選手権トライアル2クラスに参戦したが、これをさらに進化させたTY-E 2.1が、ここまで黒山が全日本選手権を戦ってきたマシンだ。

電動マシンで全日本を戦うのは初めて、未知の挑戦とあって、当初は黒山も10位以内が目標と控えめな予測をもって開幕戦に挑んでいたが、この開幕戦で5位入賞、第2戦では4位、第3戦ではついに優勝争いをしながら結果5位。そして第4戦では堂々2位表彰台を獲得して、未来のパワーユニットが全日本の舞台で立派に活躍できることを証明した。

目下のところ、ヤマハ陣営と黒山は毎戦毎戦が新たな課題の発掘で忙しい。エンジンバイクをはるかにしのぐ走破力を見せる一面もあり、また、あと一歩追いつかない面もある。見た目にはほとんど(というかまったく)変わっていないが、内面的には毎回毎回著しい変化をしながら、ここまで進化を続けてきている。

そして今回、満を持して登場するのが、TY-E 2.2になる。フレームも一新されているから、TY-E 3.0と命名されてもいいような気がしないでもないが、2.2が思った以上に全日本の舞台で活躍して実績を上げているので、2.1から2.2くらいの上乗せで勝利はもらった! ということかもしれない。

最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」

TY-E 2.2スペック

一説には、このニューマシンはもっと早期に投入予定だったものが、2.1モデルの想定外の大活躍で、新型にそれ以上の結果が要求されるために、さらに熟成を計ったという話がある。

北海道大会でのデビューが、楽しみだ。

なお、ヤマハのリリースによる、2.2の新機軸は次の通りとなる。

最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」

■積層材モノコックフレームの熟成
コンポジット(積層材)モノコックフレームは、これまでのレースデータをフィードバックし、さらなる軽量化と剛性の最適化を進めて熟成。競技時に加わる多様な衝撃に対して、材料や積層構成を見直し、高強度を達成しながら軽量化を実現。EVの駆動特性に合わせてより高い運動特性を引き出すため、縦、曲げ、ねじり剛性を見直しました。また、あらゆる環境下で安定した出力が得られるバッテリー冷却用ブロアーをフレーム内部に搭載しています。

■新設計モーター
出力密度を高めるためにコイル径、ターン数、材質等の諸元を見直し、低速の豊かなトルクに加えて中高回転域でのトルクを引き出し、効率を高めました。

■新設計モーターコントローラー(MCU)
高効率化と小型化、高機能化したモーターコントローラー(MCU)を新開発。高効率化により発熱を低減し、モーターとバッテリーの性能を最大限まで引き出し、出力特性のアップに貢献。これまで開発した制御技術をベースにライダーの求める細かな要求に応える新開発の制御ソフトを実装しました。

最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」
最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」
最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」
最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」
最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」