春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

黒山健一、ヤマハTY-E2.0でフランスGPトライアル2に出場

ヤマハ発動機が、今週末、8月28日(日)のFIM世界選手権第5戦フランス大会に、黒山健一が電動トライアルバイク「TY-E 2.0」に乗ってTrial2クラスに出場すると発表した。黒山は全日本第5戦City Trial Japan大会終了の翌朝、この会場の向かいにある関西空港からフランスに旅だった。

22ヤマハTY-E2.0黒山と

今回参戦するTY-E 2.0の前身たるTY-Eと黒山は、2018年と2019年に電動マシンで戦うTrial E CUPに参戦、2年ともランキング2位を獲得している。

Trial E CUPは2022年から発展的解消をして、ライダーがクラスを選択して出場するシステムとなった。つまり2ストロークや4ストローク、排気量のちがいと同じく、パワーユニットがモーターであることも勝負の道具のチョイスということになる。

TY-E 2.0は、前作TY-Eから2.5倍の大容量バッテリーを装着し(重量は20%増におさまっているという)世界選手権のレギュレーションなどに充分対応できるタフネスぶりを身に付けた。

22ヤマハTY-E2.0ライディング

黒山はTrial E CUPへの参戦経験はあるが、Trial2への参戦はこれが初めて。1995年の初参戦以来、トップカテゴリーのトライアルGPクラスへの参戦経験は豊富だが、GPより何度は若干低いとはいえ、GPとは比較にならないほど選手層の厚いTrial2のこと、どのくらいの戦果が期待できるのかについて、電動かエンジンかを問わず、マシンも体調も、ベストな状況で挑めて10位くらいではないかと答えてくれたが、数々の激戦を経験してきた黒山のこと、きっと感動の結果を届けてくれるにちがいない。

22ヤマハTY-E2.0ステアケース

黒山健一のコメント

「TY-E 2.0は、カーボンニュートラルの実現に向けた技術開発だけでなく、レースを通じて開発することでEVに楽しさを加えようというヤマハ発動機らしいプロジェクトです。レース部門と開発部門が協力し合うプロジェクトですが、それぞれが経験と知識を総動員し、全員が同じ方向を向いて取り組んできました。私も開発ライダーとして関わってきましたが、その成果を確認するレースに出場できることが楽しみであり、とても誇りに思います。またこのプロジェクトは、ヤマハ発動機の未来だけでなく、モーターサイクルやレースの未来にも影響するものだと考えています。二輪ファンやヤマハファン、レースファンのためにという気持ちを持って臨み、開発を進める上での貴重なデータと課題をできるだけ多く持って帰りたいと思います」

「TY-E 2.0」の主な特長

●積層材によるモノコックフレームを採用

軽量化や剛性の最適化に貢献するコンポジット(積層材)モノコックフレームを採用。パワーユニットやバッテリーのレイアウトを見直し、前モデルとの比較で大幅な低重心化を達成。

22ヤマハTY-E2.0外観

●前モデル比で容量約2.5倍。新開発の軽量バッテリーを搭載

高出力密度の大容量バッテリーを新開発。前モデル比で約2.5倍の容量を達成しながら、重量は約20%増に抑えた。

22ヤマハTY-E2.0バッテリー

●メカニズムと制御の組み合わせでパワーユニットを熟成

前モデルをベースに、クラッチやフライホイールなどのメカニズムと、微妙なグリップの変化を読み取る電動モーター制御の組み合わせでトラクション性能を向上。

22ヤマハTY-E2.0モーター