春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

レプソルHondaチーム、2022年に向けて

30回の世界チャンピオンのトニー・ボウと、日本人としては初めてチーム監督に就任した藤波貴久の所属するレプソルHondaチームが、Xトライアルシーズンインを前に決意表明をしている。

2022レプソルHonda藤波とライダー

Xトライアルは3月11日、ニースで開幕する。チームから参加するのはボウ一人。チームに新加入したガブリエル・マルセリの参戦は、今回はない。

ボウは、これまでにXトライアル(インドア)15、アウトドア15の世界タイトルを獲得している。その勝利数はXトライアル69、アウトドア125。ニースでの1戦は、勝利数をひとつ増やすべく、そして新たなタイトル獲得に向けての、第一歩となる。

マルセリはまだ22歳。2019年T2チャンピオンを獲得して、2020年からトライアルGPに参戦。3年目の2022年に、ワークスチームであるレプソルHondaチーム入りを果たした。2021年スペイン選手権ではランキング3位、Xトライアルでは、バルセロナ大会で2位表彰台を獲得してランキング4位となる好成績を残している。

そんなマルセリが今回のXトライアルに参加しないのは、Xトライアルが参加選手について見直したからだ。Xトライアルランキング上位3人の他は、すべてスペイン人以外のライダーがノミネートされることになり、ランキング4位のスペイン人であるマルセリには参戦権利がなくなった。ただし、各大会ではワイルドカードとしてゲストを呼ぶ権利があるので、スペインの大会ではワイルドカードとしてマルセリの参加の可能性もあるだろう。2022年シーズンには、スペインではマドリードとバルセロナ、2戦が組まれている。

そしてこの大会から、藤波が采配を握ることになる。半年前まで現役ライダーとしてトライアルGPを戦っていた藤波がどんなレース運営をするのか、26年間の藤波の経験が発揮される時が来た。

レプソルHondaチームでは、従来からInstagramとTwitter(@trialteamhrc)で情報発信をしているが、今年はTelegram(@trialteamhrc)に新しいチャネルを開設して、より幅広い情報発信に努めるということだ。

○トニー・ボウ

2022ボウ

「新しいシーズンが始まりますが、いつものとおりに、私たちはすべてを尽くします。オフシーズンの準備とトレーニングは順調でした。開幕戦に向けて、準備は完璧。シーズンが始まるのが楽しみです。 X-Trialのルールは数年前のものに戻ることになりました。運不運に結果が左右されることが減って、誰にとってもよい試合になると思います。今年、チームにはガブリエル・マルセリが参入しました。素晴らしいライダーで、非常に勉強家。将来性のあるライダーです。チーム一丸、よいシーズンになることを願っています」

○ガブリエル・マルセリ

2022マルセリ

「今シーズンは、今までよりもっといい感じです。今シーズン、世界最高のチームに所属ができました。チームが私を信頼してくれたのは本当にありがたいし、その期待を裏切らないよう、最善を尽くします。Xトライアル開幕戦に出場できないのはとても残念でした。1戦を欠場すれば、最終ランキングに大きな影響が出てしまいますが、出場できる大会では全力をあげて、できるだけ多くのポイントを獲得しようと思います。トライアルGPではライバルが非常に強力で難しい戦いとなりますが、すべてのトライアルでトップを目指してがんばります」

○藤波貴久監督

「私にとっては、今シーズンは昨シーズンとはぜんぜんちがうものになります。ボウのことは15年に渡って見てきていますが、ここ数週間の彼のトレーニングを見ると、これまで以上の強さを身につけたと感じます。なので今年は、ボウにとっては素晴らしいシーズンになるでしょう。新たに加わったガブリエル・マルセリも、同様の印象です。彼の進化は著しく、精神的にも技術的にも大きな変化を遂げています。彼に対するチームのバックアップも万全です。新しいレギュレーションのため、Xトライアル開幕戦に出場できないのは残念ですが、次戦には参加できると確信しています。チャンピオンシップ争いをするのはむずかしいでしょうが、昨年のように、たとえばバルセロナXトライアルでなしとげたように、表彰台を担う一人になると確信しています。このシーズンオフ、チームはマシンをこれまで以上に改善し、シーズンの成功に向けて前進し続けています。過去15年同様に、2022年シーズンが本当に楽しみです」

2022レプソルHondaチームのみんな