春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

レプソルHonda、藤波貴久の監督就任を発表

2021年シーズンで現役引退を表明していた藤波貴久が、ホンダトライアルチームの監督に就任することが発表された。

2021年世界選手権最終戦の藤波貴久

これまで46年の長きにわたって同チームの監督を務めていたミゲール・シレラが引退を表明、それに替わって、現役ライダーを引退した藤波が監督の任につくものだ。

加えて、チームにガブリエル・マルセリが新たに加わる発表もあった。

マルセリは2019年トライアル2チャンピオン。モンテッサでタイトルを獲得して、2020年から3台目のファクトリーマシンを与えられて、レプソルHondaチームの外で活動していた。今回、マシンとともに、晴れてチームもファクトリー入りしたわけだ。

ホンダトライアルチームは、スペインのモンテッサブランドを継承して活動している。モンテッサはホンダの傘下となり、スペイン・ホンダとして事業展開をしているのだが、いわばスペインのトライアルスピリットの象徴としてのモンテッサブランドを継承するためもあり、トライアルはモンテッサブランドでの活動を続けている。ホンダとモンテッサ、二つのブランドがあって混乱する人もいるかもしれないけど、ホンダとモンテッサは一心同体と考えていい。

藤波は9月の引退発表当初、今後の去就についてを明らかにしていなかったが、12月31日までは前職のシレラ監督の契約があり、彼の引退発表ののちに自身の去就を発表することになった。シレラ前監督は職歴46年ということで、監督初年度は1975年、ヨーロッパ選手権が世界選手権に昇格した時から現在まで、一貫してモンテッサとともに戦ってきたわけだ。ちなみに1975年の世界選手権で初代チャンピオンとなったのはマーチン・ランプキン、のちにモンテッサで4度の世界タイトルを獲得するドギー・ランプキンの父親で、モンテッサのライダーとしても活躍したのだが、このときに乗ったのは、モンテッサからのれん分けをするように誕生した新興メーカー、ブルタコだった。

藤波の監督就任は、絶対王者たるトニー・ボウの強い希望もあったという。これまでも、ライバルとして、チームメイトとして、友人として、長くトライアルをともに戦ってきた。ボウにすれば、自分のライディングとマシンをもっとも近くで注視し、そして同じレベルでマシンを操ることができる藤波がチーム監督に就任すれば、これまで以上に心強い活動ができるということだろう。

やるからには、今までと同じことをやるつもりはない、という藤波。さて、新生モンテッサホンダチームは、どんなチームになっていくのだろう。2022年5月、藤波貴久率いる新生チームがツインリンクもてぎに現れるのが、強烈に楽しみになってきた。

2022レプソルHondaチーム