春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

ファハルド、オッサへ

 去年のミラノショーで衝撃的デビューをしたオッサが、今年のミラノショーに向けて、いよいよ本格的に活動を活発化させている。市販も目前、そこへきて、ジェロニ・ファハルドがオッサと契約したというニュースが届いた。写真はそのプレスリリース。ファハルドとオッサは、すでに10月11日に2011年に向けての契約を済ませたとある。
 オッサはインドア、アウトドア、TDN、そして国内選手権のすべてに参戦、チームマネージャーはマルク・コロメ。世界チャンピオンと25歳の新進気鋭ライダーの組み合わせで、60年代70年代の栄光をふたたび勝ち取ろうとしている。これで2011年シーズンが、いまから楽しみとなってきた。
 後方排気、後傾したシリンダー、2ストローク+フューエルインジェクション、ダウンチューブを燃料タンクとした車体構成などなど、大胆な発想による意欲作を、一般ライダーが手にできる日も、そんなに遠くない。


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マルク・コロメがデモンストレーションに使ったプロトタイプ

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マルク・コロメがデモンストレーションに使ったプロトタイプ

 トライアル・デ・ナシオンがおこなわれたポーランドの会場では、パドックにオッサのトラックが鎮座。イタリアのインポーターが設営を担当して、プロモーション活動を行っていた。世界選手権への参戦も、イタリアのインポーターが活動を代行しておこなうことになるのではないかということだ。
 開発ライダーマルク・コロメ(19971996年世界チャンピオン。モンテッサ、ガスガス、スコルパとメーカーを渡り歩き、数々のニューマシンの開発に従事している)が、デ・ナシオンのセクション近くで、テストを繰り返し、その姿を各国のジャーナリストやギャラリーにアピールしていた。

 パドックには、スタンダードとコロメがテストするプロトタイプ、そしてもう1台のオッサが展示された。このオッサは、最近では知ってる人は少なくなったかもしれないが、ミック・アンドリュース・レプリカ。ミック・アンドリュースが魔術師と呼ばれ伝説化したのは、このマシンとともにのことだった。そしてミックはその後、ヤマハの開発ライダーとなって、名車TY250Jの開発に従事することになる。
 スペインのトライアルライダーの心に息づく伝統のブランド、ブルタコ、モンテッサ、そしてオッサ。ブルタコはシェルコの登場時に一瞬その名をトライアル界に復活させ、モンテッサはスペイン・ホンダとなりながら、トライアルにはそのブランド名をしっかり残している。そして今、もうひとつの伝統が革命的に復活しようとしている。
 最初の発表から1年、間もなくおこなわれるミラノショーが、また大きな転機となるはずだ。