春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

全日本など、中止相次ぐ

全日本選手権北海道大会の一方に続いて、第5戦中国大会も中止が発表、またCity Trial Japan 2021(以下、CTJ)も開催を断念するという発表がなされた。

今年の中国大会は、昨年に続き、岡山県高梁市原瀧山トライアルパークが会場。CTJも、昨年同様に万博記念公園で開催の予定だった。

中国大会は9月5日開催予定で、8月22日の北海道大会に次ぐ全日本日程となっていて、CTJは全日本日程との調整をしつつ、開催時期を模索していて、今年は晩秋の開催で日程調整をしていたと聞く。

結果として、中国大会もCTJもあいついで開催しない旨の決定が発表された。中国大会はこれからエントリーを受け付ける段階で、CTJはまだ2021年の開催についてはなんの発表もされていなかったから、開催中止ではなく開催断念の発表ということになった。

中国大会は、去年も行政方面から感染拡大を案じられて中止になったということだが、状況は去年と比べてもよくはなっていない。去年はまだ未知の事態という印象が強かったが、今年はもう少しいろいろ見えてきている部分もある。ワクチン接種も進みつつあるが、しかし感染者数は去年よりも格段に増加している。感染防止を第一と考えるなら、開催中止もやむを得ない選択かもしれない。

もちろん、トライアル競技はアウトドアでの開催だし、他のイベントに比べると、くやしいかな、まだまだお客さんは多くない(少なくとも大入満員とは言いがたい)から、不安の声を押し切って強行する選択肢もなくはない気はする。セクションで肩を並べて観戦していたとしても、向かい合って話をしたり食事をしているのとはちがい、みんな選手のトライを見ているわけなので、リスクはだいぶ少ないのではないか。

というようなことは、このパンデミックが日本を襲った頃からの持論なのだけど、事態はもはやそんなことを言っていられない感じになりつつある。オリンピックのマラソン競技で沿道に観客が並んでいようが、プロ野球が開催されていようが、イベント主催者や自治体の首長は、それぞれの責任で開催の可否を決めなければいけない。こういう決断は、いつの時代でも、対象がどんなことであれ、むずかしい。

シティトライアルジャパン2021開催断念

CTJの場合は、お客さんが多くないから、なんて言っている場合ではない。こちらは、街の中での大会開催がコンセプトで、多くのお客さんに来てもらって開催するのが身上だから、お客さんを呼ぶことが懸念されるのであれば、開催はそうとうむずかしくなってしまう。春先の全日本選手権は、秋に延期ということで中止決断を避けていたが、もう8月になってしまうと、これから先、延期日程を組むのもむずかしい。全日本を延期するにも、地方選手権をはじめ、すでにスケジュールに組まれている大会との調整を行わないといけない。そこはCTJも同様だが、CTJの場合には出場選手の日程調整から始めないといけない。なんの発表がない中でも、水面下でいろいろな調整は続けられていた。大きなイベントがひとつ日程変更になると、それに伴っていくつもの予定が変更になる。参加者や関係者もそれに伴って予定変更やスケジュールキャンセルが相次ぐことになって、感染防止どころの話ではない。今年、飛行機やフェリーの予約とキャンセルを繰り返し何度もした人は少なくない。

コロナ禍対策にも経験が積まれ、対処すべきことも出揃ってきた。2021年は、2020年よりは(少しは)いつもの日常に近い日々が送れると期待していたし、そこに向けて多くの人が準備をしていたけど、結局のところ、大会の開催範囲は、去年と同等くらいになってしまいそうで、なんとも残念な限り。

MFJでは、北海道大会と中国大会が中止になって、全日本日程が少なくなってしまったのを補うべく、11月14日開催の中部大会(第3戦だが、いまのところこれが事実上最終戦となる)を2日間開催とする検討が始まったという。詳細は不明だが、土曜日と日曜日の2日間開催の、ちょうど世界選手権日本大会のような感じになるのではないかと思われるが、土曜日には出場できない人への配慮はどうなるのか、どちらか一方だけの参加でも可能なのか、オブザーバーやスタッフは2日間に渡って大会に従事できるのかなど、問題は少なくないと思われる。簡単に中止にして簡単にコトが終わるわけではなく、そこから始まる苦労もある。コロナ禍の苦労は、まだまだ各方面で続きそうだ。

2021cancel of chugoku