春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

北海道大会が中止になって

北海道大会が中止になった。北海道大会の開催は8月22日の予定で、発表になったのは7月30日だった。

2021年の北海道大会は、当初は7月11日の予定だったが、感染拡大で延期になっていた。選手や一部の熱心な応援感染者は、日程変更でフェリーや飛行機のチケットのキャンセル、そして再予約を強いられたわけだが、ふたたびキャンセルに追われることになってしまった。なお2021年の北海道大会は「中止」で、再び延期日程が組まれることはないという。これで北海道大会は、2020年に続いて、2年連続で中止となった。

2019年北海道大会(小川友幸)2019年、今のところ直近最後の北海道大会

残念だが、この社会状況ではしかたがない、のかもしれない。しかし中止の決定がなされた7月末は、東京オリンピックの渦中で、全日本大会が開催される旭川市近郊とはちょっと距離は離れているものの、札幌では男女マラソンと男女競歩が開催された。これらの競技の開催日程は8月6日〜8日で、全日本大会の中止が決まったあと、全日本大会の開催決定の2週間前のことだった。

2020年の全日本選手権は、当初の7戦から4戦での開催となった。開催数を最大限維持しようと尽力しつつも、初めてのコロナ禍に翻弄され、強硬論と慎重論が意見を出し合った結果の全4戦だった。

2021年は、2020年の開催状況をふまえて、全7戦を確保すべく、最大限の努力が払われていると認識している。万一開催中止となっても、時期をずらして延期日程を組み、他のイベントとの日程調整を経て延期開催に向けて折衝が続く。日程調整はすべてのイベントの大難問だが、通常なら、シーズン当初に1回悩めばそれで解決だが、今年はそんな悩みがずっと続いているわけだ。

北海道大会は、地域の医療体制、自治体がイベントを受け入れる覚悟、フェリーや飛行機で長距離を移動するリスクなどがある。交通機関については、旅行自粛を受けて空きが目立ったり、それを見越して減便して満席だったり、ケースバイケースでどちらに転ぶかわからない。イベントにとっての大きなリスクは、万が一の際の緊急医療体制が確保できるかどうか、になってくるのではないだろうか。

そんな中、しかし北海道大会は開催に向けて着々と準備が進められていた。中止が発表されたのは7月30日だったが、その前日には、関係者による開催に向けた連絡がおこなわれていた。すべてが開催に向けて進んでいたところに、突然の中止、が決定されたようだ。

8月になって、これまでに開催された全日本選手権は2戦のみ。九州大会と関東大会は観客対応などを腐心して予定通りの日程で開催されたが、北海道大会を含め、これまでに3戦がそもそもの日程での開催を中止、2戦が延期日程での開催を予定している(現在発表されている日程は、スケジュールを組みなおした段階で発表し直されている)。

今シーズンのこれからがどんな展開となるのか、オリンピックが終わり、感染拡大はおさまるのか、パラリンピック開催で、まだまだ感染が広がるのか、オリンピックの開催の一方で、一般スポーツイベントは中止の憂き目に遭うしかないのか、ワクチン接種が行き渡れば事態は改善されるのか……。どれも、先が見えないことばかりだ。

2020年の実績から推測すると、東北SUGO大会と、近畿湯浅大会は(無観客で、だったとしても)開催可能だと思われる。他には中国原瀧山大会と中部キョウセイ大会が予定されているが、この2戦は2020年には中止となっているから、今年はどんなことになるだろうか。2020年の中部大会は台風の直撃の恐れを案じての中止で、台風がなければ無観客での開催となるはずだった。

9月以降、予定が立てられず、立てた予定をキャンセルする日々が始まるかもしれないが、もちろんそんなことはないに越したことはないけれど、現在、全国的に感染拡大スピードがこれまでにない勢いになっている。日々状況が変化する中で、まったく先が読めなくなっている。それでも大会の開催が最優先として進めていってほしいと願うばかり。トライアルが足りない、と悲鳴を上げているのは、自然山通信だけではないはずだ。

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