春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

2007年のFIMトライアル

クルミエールさん

 開幕戦に先がけて、FIMトライアル委員長、ジャン・マーク・クルミエール氏のルール変更についてのミーティングがあった。内容を一言で言えば、ルールをより厳格に適用し、公平感を高めるとともに、より多くのライダーの参加を推進するというものだ。


 ルールの厳格な適用は、日本人からみると、日本ではもう何年も前からやってきたことで、いまさらという感じがなきにしもあらずだが、これで日本“だけ”が厳格だったのが(ある程度)世界共通でルールに厳格になることになる。
 具体的には、これまでメイン(赤字にライダーと同じゼッケン)とサブ(黒字にライダーと同じゼッケン)の二人のマインダーによって支えられていたセクショントライが、ひとりだけに限定される。マインダー自体は二人まで認められるが、セクションに立ち入りができるのはひとりに限るということだ。これに、各メーカーに与えられているメーカーゼッケンをつけたスタッフがいるが、彼らはセクション内に立ち入ることができない。彼らが仕事をした時には注意勧告がされ、二度繰り返されたときにはゼッケンがはく奪されてメーカータイトルポイントも5点はく奪されるということだ。

ミーティング後の質疑応答

 マインダーがひとりになると、マインダーの負担は多くなるし、場合によっては危険リスクが増すことになる。それでもFIMは、二人のマインダーを用意する資金面での不公平を解消することをねらいたいようだ。
 マインダーをひとりに限定するかわりに、セクションのレベルはより危険度を減らして設定するという発表もあった。ただし第1戦を見る限り、これは机上の空論だった。第1戦はかつてないほどに難度の高い設定でライダーとマインダーのリスクは高かった。なかなかうまくいかないということだろう。

SPEA社長と
SPEA社長ルチアーノ・バナリアと
FIM委員長クルミエール

 もう一点、アウトドア世界選手権に冠スポンサーがついた。今後、アウトドアトライアル世界選手権はSPEAトライアル世界選手権と呼ばれることになる。
 SPEAはイタリアのパーツメーカーで、2006年から世界選手権をサポートしていたが、2007年からはSPEAをタイトルとする世界選手権となった。それ以前から、イタリアの国内選手権やイタリアのチームのサポートはしていたから、その名は世界選手権通には知られているところではある。この契約は、2007年からの3年契約だという。
 SPEAのほかには、ブレーキ製造などで知られるAJPもサブスポンサーとして名を連ねている。これまでスポンサーだったトライアルウェアメーカーのエキサイティングとAJPは、世界選手権のテクニカルスポンサーという位置づけとなるようだ。
 ユースやジュニア選手権を充実させ若手ライダーを増やして、世界選手権クラスの危険度を落としてステップアップの道を広げること、そしてスポンサーを獲得して安定した選手権を運営していくこと。
 クルミエールさんのトライアル構想は、はじまったばっかりだ。