春になったと思ったら、いきなり夏日です。トライアルGP日本大会はちょっとしか暑くなくて、よかったよかった。

インドア最終戦はラガが勝利

07マドリッドのラガ

 3月17日インドアトライアル最終戦マドリッド。
 チャンピオンはすでにトニー・ボウで決定しているが、ランキング2位争いがし烈。ランキング3位に落ちていたアダム・ラガは見事な勝利を飾って再度逆転、ランキング2位を獲得した。
 今回2位に入ればランキング2位が手に入ったアルベルト・カベスタニーは、なんとファイナルに進出できず、4位で試合を終えている。藤波貴久は不本意な5位だった。


 ラガの勝利はこのインドアシーズンで2度目。無敵のチャンピオンの誉れ高かったラガにしては少ない勝利数だが、それでも勝たなければいけないところで確実に勝って、チャンピオンの意地を見せつけた。
 序盤、ボウはラガにプレッシャーを与えるべく勝負を挑んでいたが、最後には2位の座に落ち着いて初の世界チャンピオンの栄冠を受け取った。最後の2戦で勝ちを譲ったのはくやしいが、チャンピオンにはなったし、チームメイトのランプキンは、今季2度目の表彰台に上がったし、落ち着くべき結果が見えてしまったというところか。
 クォリファイでは、ラガがベストと思われるライディングを見せた。同じく素晴らしいライディングを見せたが、最後で5点をとってしまったボウと、第1セクションをクリーンしてチャンスをつかんだランプキンがファイナル進出のキップを得ている。
 カベスタニーはマドリッドにはランキング2位としてやってきた。この2戦で2勝という上昇機運もあった。しかし難セクションを攻略できず、ファイナルに進出できず、3つ目の勝利もランキング2位の座も失って、今回4位、ランキング3位という結果を持ち帰ることになった。
 手首を骨折したジェロニ・ファハルドの代役として登場したスコルパのマルク・フレイシャは、今回が07年初めてのインドア世界選手権で、2年ぶりの出場となる。久々のインドアを走るフレイシャはなかなか好調だったが、しかしハイジャンプですべてのバーを落としてしまうという大失敗をして、これで5位の座をふいにしてしまった。
 藤波貴久は、いくつかの問題があってその実力を発揮しきれなかった。最初の2セクションで8点減点をしたあと、藤波はピットに戻ってマシンを修復。第2セクションでリヤホイールがずれてしまったためという。セクション成績ではフレイシャに遅れをとっての6位だったが、藤波がハイジャンプをクリアし、フレイシャが失敗したため、5位となって、藤波のインドアシーズンは終わった。
 最下位の7位は、タデウス・ブラズシアク。しかし第1セクションでは、リスクのある飛び出しに挑戦。うまく成功させて減点を1点に抑えた。ここをクリーンしたのはランプキンのみ、減点1もラガとボウとブラズシアクだけだったから、この晩のブラズシアクはよい結果に落ち着くかと思いきや、やはり定位置となってしまった。

<アダム・ラガのコメント>
「 この勝利は格別だ。ランキング2位にもなれたし、ぼくがインドアで勝てるライダーだということをみんなに証明できた。それに、間もなくはじまるアウトドアの世界選手権に向けても、よい材料となった。このシーズンはいくつかのミスがあって最高の結果とはいえなかったが、最後の試合では、ぼくはできる最善のことをやったつもりだ」

<トニー・ボウのコメント>
「勝利に近いところでチャンピオンシップを戦いたいと思っていたし、いつも必ず勝てるなんてことは思っていない。ともあれ、今年は大きな結果を手にした。たいへん満足なシーズンを送ることができた。アダムは、今晩の結果が示すように、たいへん手ごわいライバルであることはまちがいない」

<ドギー・ランプキンのコメント>
「なんとかもう一度表彰台に立ちたいと望んでいた。この前の表彰台はマルセイユだった。このところ不本意な成績が続いていただけに、今日はいい試合ができた。これで、新たなページを開くことができるよ」

<藤波貴久のコメント>
「今シーズンの最上位は、バルセロナでの2位だった。あれは自分でも驚くべき結果だったけど、今回は同じことができなかった。もう一度あんな試合をやってみたかったのだが、次のシーズンにお預けだ。さぁ、次はアウトドアの世界選手権。インドアとちがって、最良の結果をお見せできるはずだ」
なお藤波の足の負傷は、まだなおってはいないが、ライディング中は痛みもないという。


ファイナル
Pos. Rider Machine Point
1 Adam Raga Gas Gas 3
2 Toni Bou Montesa 9
3 Dougie Lampkin Montesa 24
クォリファイ
Pos. Rider Machine Point
1 Adam Raga Gas Gas 4
2 Toni Bou Montesa 6
3 Dougie Lampkin Montesa 13
4 Albert Cabestany Sherco 16
5 Takahisa Fujinami Montesa 24
6 Marc Freixa Scorpa 26
7 Tadeusz Blazusiak Beta 39
世界選手権ランキング
Pos. Rider Machine Point
1 Toni Bou Montesa 67
2 Adam Raga Gas Gas 57
3 Albert Cabestany Sherco 54
4 Takahisa Fujinami Montesa 41
5 Dougie Lampkin Montesa 36
6 Jeroni Fajardo Beta 30
7 Tadeusz Blazusiak Beta 10
8 Shaun Morris Beta 4
9 Marc Freixa Scorpa 3
10 Jerome Bethune Beta 2
11 Fabio Lenzi Montesa 1
12 Loris Gubian Sherco 1