技術
トライアルテクニックとは?
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トライアルマシンにまたがって、みんなが最初にやりたがるのがウイリーと障害物越えです。前輪を宙に浮かべたまま走り、また段差を越えていく。ふつうのオートバイライディングではなかなかお目にかかれないので、トライアルをはじめるからには習得したいテクニックとなると思います。どちらも重要なトライアルテクニック。トライアルでは、前輪が宙に浮いていることが多いので、このコントロールのためにもウイリーテクニックは大事です。
障害物を越えるテクニックも、一言では語れないほど、たくさんあります。岩の形や状況に応じて、いろんなテクニックを使い分けます。実際にやるのも、解説するのも理解するのも、ちょっと高等テクニックとなります。
はじめに学ぶべき基本としては、ターンのテクニックがあります。いっぱい切れるトライアルマシンのハンドルをめいっぱい切ったまま、くるくるとまわります。ターンはウイリーや障害物越えに比べると地味なテクニックですが、絶対に必要なテクニックであり、奥の深いテクニックです。
さらにこういうアクションの基本には、静止した状態で安定して立っていられるスタンディングスティルというテクニックがあります。トライアルがオートバイに立ち続けて乗るスポーツですから、スタンディングスティルを学びながら適切なライディングフォームを学ぶことが、重要な基礎訓練となるかもしれません。
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2005年01月11日
テクニックいろは
トライアルライディングは、初めての人にはとってもむずかしいものです。でも心配はご無用。正しく学習すれば、見る見るうまくなります。
もしも、トライアルがちっともうまくならないという人がいたら、練習方法をまちがっているのかもしれません。いい先生について、早くいっしょにトライアル遊びができるようになりましょう。
自然山通信では、トライアルの第一歩はスタンディングスティルだと考えています。スタンディングはむずかしいから初心者には勧められないという先輩諸氏も少なくないのですが、今も昔もスタンディングスティルはトライアルの基本です。そしてスタンディングスティルは、ガソリンも消費しないし、練習場に出かける必要もありません。練習に出かけられない日に、自宅でスタンディングスティルのトレーニングを積めば、それがきっと役に立つときが来ると思います。
スタンディングスティルでライダー自身のバランスとフォームの学習を積むとともに、アクセルとクラッチ操作も、もう一度確認しておきます。オートバイに乗れる人なら、アクセル・クラッチ操作には自信のある人が多いと思いますが、どちらも奥は深いもの。アクセルワークは、世界選手権を走るようなライダーでも課題としているほどの奥の深さですから、甘く見ることなかれ。またクラッチも、ある程度トライアルが進化してくると、クラッチを操作しない瞬間はないというくらいにクラッチ操作が続きます。スタート・ストップが無難にできるだけでは、まだまだ修業が足りないといえます。
基本テクニックでもっとも難問なのが、ターンです。最近のオートバイは優秀ですから、オートバイにまかせておいてもくるくる気持ちよく回ってくれるのですが、ターンの途中に小さな石ころがひとつあると、状況は変わってきます。そんなときにもスムーズに回るためには、ターンもきちんと学習する必要があります。
誰にでもできて、誰にでも役に立つトライアルテクニック入門編、ご紹介しましょう。
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2005年01月12日
ゼロからのスタンディングスティル
スタンディングスティルがむずかしいのは、一人で立とうとがんばっているオートバイに対して、人間が右に左によけいなアクションを加えてバランスを崩しているからです。
ためしにトライアルマシンを1台持ってきて、オートバイから降りて、ハンドルをいっぱいに切った状態で、左右のバランス位置を確認しながら、そーっと手を放してみてください。現代のトライアルマシンは、たいてい一人で立ちます。5分も10分も経たせておくのはむずかしいかもしれませんが(不可能ではありませんけど、ちょっとした風が吹いても倒れます)、10秒や20秒は立ってます。その状態を人間がじゃましなければ、スタンディングスティルは、そんなにむずかしくないのです。
一人で立っていられるオートバイのじゃまをしないようにするには、まず、人間がよけいなアクションをしないことです。そこでまず、フットレストに立たずに、どっかり座ってみます。座ってしまえば、からだの自由はだいぶ奪われます。
からだが動かせない状態で、微妙に左右に倒れていくのを、コントロールするには、まずハンドル操作によるスタンディングスティルを覚えましょう。スタンディングスティルをするにはいろんな方法がありますが、ハンドル操作が誰でも必ずできるようになる方法です。
ハンドルをどちらかにいっぱいに切ります。切った状態ですっと手を放すと、少しだけ舵角が戻ります。そのへんの舵角を維持するように、あとはマシンが倒れそうになるほうに、ハンドルをちょいと切ってあげます。右に倒れそうになったら右にハンドルを切ります。左に倒れそうになったら左に切れます。操作はこれだけです。マシンにどっかり座って、よけいなボディアクションをしなければ、これでマシンは立ち続けるはずです。
このまま、しばらく訓練していると、手首が勝手に反応して、倒れそうになるマシンを起こしてくれるようになります。こんなふうに、からだが無意識に反応するようになったら閉めたもの。次のステップに進みましょう(ここまで早い人で20分、少し時間がかかる人で1時間くらいのコース)。
ハンドルの操作でマシンが起き上がったりするのは、オートバイに限らず、ほとんどすべての二輪車がこういうふうにできているからです。そしてオートバイに乗っている人は、みんなこのアクションをおこなって、オートバイをバンクさせているのです。ただし、あまりにもオートバイの設計がよいために、ほとんどのライダーが気がつかないまま操作しているのです。
では、次はいよいよ立ち上がってみましょう。
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2005年03月04日
立ち上がってスタンディング
座って、ハンドル操作がある程度無意識にできるようになったら、そーっと立ち上がります。なるべく足の筋力で立ち上がりましょう。ハンドルに体重を乗せて腕立て伏せするみたいに立ち上がらると、マシンによけいな力を与えてしまいます。
一気に立ち上がろうとしないで、ハンドル操作を続けながら、ゆっくりゆっくり、立ち上がります。
立ち上がる際には、腰、膝、足首の3ヶ所の間接を、きちんと連携して動かして頭の前後位置が変化しないように立ち上がりましょう。
トライアルでは、マシンの上での屈伸運動が、アクションの基本中の基本になります。マシンが倒れないようにそーっと立ち上がることで、ゆっくりでも、正確な屈伸運動を心がけましょう。
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2005年03月04日
アクセルとブレーキ
今どきのトライアルマシンにはじめて乗ったとき、まずびっくりするのは、前後ブレーキが、とんでもなくきくことではないでしょうか。小さなディスクブレーキなのに、ちょっと乱暴にブレーキを操作しようもんなら、あっという間にすってんころりんしてしまうくらい、よくききます。
ブレーキだけじゃありません。アクセルだっていっしょ。ただ回せば簡単にスピードが出ると思ってかかると、痛い目にあいます。トライアルマシンって、なんて狂暴なんだと思うかもしれません。でも、マシンのせいではありません。
あなたのアクセル、ブレーキのコントロール、全部荒っぽすぎ。あなたが特別というわけじゃなくて、オートバイ乗りのほとんどが、トライアルを初めて直面する壁ですから、心配することありません。要は、すべての操作をやさしくやさしくおこなえばいいんですが「やさしくしてね」って言われても、これがなかなかむずかしい。アクセルワークなんか、永遠のテーマですから、気長に確実に取り組んでくださいね。
まずは、アクセルやクラッチの操作を、もう一度お勉強してみましょう。教習所でならった以来の、発進のしかたのおさらいです。アクセルをほんのちょっとだけ開く。クラッチをそーっと、そーっとつないでいく。ぐぐぐとチェーンが引っ張られ、後輪が動きだそうとする。ここでほんの少しだけアクセルを開け足して、さらにクラッチをつなぐ。するすると後輪が回転し始める。地面と後輪が、しっかり噛み合って動いているのを確認しながらクラッチを離していく。バイク、さらに動く。完全にクラッチを離したら、アクセルを開けていく。以上、止まっているバイクがスタートするまでのアクセルとクラッチのお仕事でした。
どんな急加速でも、この一連のお仕事の基本は変わりません。急加速が必要な場合は、ちょっとだけ、すべての操作が素早くなるだけです。早い動作になっても、ていねいに操作するのは変わりません。お忘れなく。
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2005年03月06日
エンジンのかけかた
トライアルマシンのキックが重たいとお嘆きの方は多いと思います。特に女性は、キックの重さに、250ccマシンの購入をためらっている人も多いかと思います。でも、ちょっとだけエンジンの構造を理解して、機械の理屈にさからわずにそぉー、スルっとキックペダルを降ろせば、あら、軽い。誰だって、簡単にエンジンがかけられます。研究してみてください。
トライアルバイクでは、セルモーター始動のものはありません(2005年現在)。全部キック始動です。しかも、ライディング中にじゃまにならないように、位置や機構が考えられているため、あんまり楽ちんにキックできるようにはできていません。でも、大丈夫です。
キックペダルを押し下げていくと、エンジンの中では、ピストンがシリンダーの中で空気をぎゅーっと押し縮めていきます。この、空気を押し縮めていくところが、キックがとっても重いところです。逆に、ピストンが一番上までいってしまえば、あとは降りるだけ。中の空気も排気されてしまうので、抵抗はほとんどありません。足じゃなくて、手だってキックペダルをおろせるくらいです。
ところが、キックペダルをちょいちょいと探って、上死点をさがすのは、実はとってもむずかしいです。ここではさがすのをあきらめて、一番キックが重たくなったところ(上死点のちょっと手前)をまず見つけることにします。ここなら、わかりやすい。
でも、なんせ一番重たいところだから、思いきり踏んづけても、跳ね返されるのがオチです。だから、一番重たいところでは、力を入れません。そーっと踏んづける。踏んづけるというより、さわってるだけ。足の重みをそーっとキックペダルに預けるだけで、思いきり蹴飛ばしても降りなかったキックが、ゆっくりするするっと降りていきます。と、その瞬間を狙って、ぶるるんと踏み下ろします。
これ、微妙なタイミングがキモです。行き過ぎてしまうと、おいしいところを通り過ぎてしまう。といって、早まると、重たいところに引っかかってしまって、跳ね返されます。
うまくタイミングがあえば、驚くほど軽くキックが降ろせます。で、エンジンが簡単にかかります。タイミングさえバッチリなら、足じゃなくて、手でかけることだって、可能です(あぶないので、やらないでください)。
トライアル以前に、エンジン始動で疲れていたみなさん、これ必須です。キック始動がらくちんになれば、トライ待ちの時にも自信を持ってエンジンが止められます。ガソリンも節約できる。後ろの人も、排気で目が痛くならないですむ。うるさくない。いいことづくめです。お試しあれ。
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2005年03月06日
うまくなるライディングフォーム
スタンディングのお勉強は、ただ立つだけに終わりません。スタンディングスティルのまま手をはなせば、あなたはマシンの前後、左右方向、おいしいところに乗っていることになります。この感覚をからだで覚え込んでください。その意識を持ったまま、上りや下りを走れば、ライディングフォームもおのずと美しくできあがります。登り坂でまくれるのも、下りで前輪をとられて転ぶのも、実は正しい姿勢がとれていないからなのです。
では、まず手を放す方法を伝授しましょう。ハンドルから手を離すとなると、これまでやってきた、ハンドル操作でのバランス修正はできません。両足で、微妙な荷重操作をすることでバランス修正をおこないます。足の裏の感覚は、現代人はずいぶん退化していますから、全身全霊を足の裏に向けてください。
手を放すには、足の裏で左右のバランスをとるほか、ライダーの乗っている位置も重要になります。人間の重心がきちんとフットレストの上にないと、手を放すと同時に、ライダーは前か後ろに落っこっちゃうことでしょう。
手放しでスタンディングスティルするのは、一朝一夕でできるもんではありませんから、あわてずに取り組んでください。ハンドル操作をしているうちは、フロントブレーキをかけたりすることもできましたが、手を放すのですから、それもできません。すべての操作をていねいにおこない、マシンに極力よけいな力をかけないように、少し気長にやってみてください。
手を放せるようになったら、あらためてそこからハンドルに手を添えてみます。ハンドルに力は入れませんし、体重を、ハンドルで支えることもしません。あくまでも、体重はフットレストで支えます。
体重を支えるためでなく、ハンドルに手を伸ばす。そう、トライアルマシンに乗っているときは、まさにそんな感じです。今は平らな地面で、ハンドルを切った状態でトレーニングしていますが、この感覚をつかめば、斜面でも、ハンドルがまっすぐでも、いつでも美しい基本姿勢をとれるようルナることと思います。
ハンドルに添える手は、外側から握ります。包丁や金槌を持つのといっしょ。こう握ると、アクセルを全開にしても、ひじが下がりません。
こう握れば、さらに上半身とハンドルが大きな輪を作ります。路面からの衝撃は、この輪っかが収縮することで吸収します。腕がつっぱって、二等辺三角形になっていると、地面のデコボコでちょっと前輪をはねられただけで、上半身がぐらぐらしちゃいますね。正しい姿勢で乗ることが、トライアルライディングを楽ちんにしてくれるのです。
ハンドルを外側から握れば、ハンドルを握るのは手のひらと小指、薬指が担当します。人差し指や中指は、遊んでいます。クラッチとブレーキのレバー操作は、人差し指(と中指)でおこないなさいと言われているのには、この日本の指が、ハンドルを握る仕事から開放されていることが多いからです。
足元では、マシンとブーツの間に少し余裕を持たせましょう。トライアルは激しいアクションをしますから、足元でがっちりはさんじゃったりしたら、その動きを規制しちゃうことになるからです。
以上が、トライアルマシンに乗るときの、正しい姿勢の解説です。
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2005年03月06日
ターンのはじまり
ターンを理屈で説明すると、マシンを傾けて、タイヤを傾けることでオートバイは旋回します。
トライアルマシンはハンドルがめいっぱい左右に切れます。この舵角ゆえに、ものすごい小さいターンも可能なのですが、右に曲がろうと思って
右にハンドルを切ると、オートバイは左に傾こうとします。ライダーが曲がろうと思うのと反対に、オートバイが曲がっていきます。曲がりたくても、意思に反してぜんぜん向かってくれないオートバイに苦労したこと、ありませんか? それは、こういう作用が働くからです。
それでも、上手な人がターンをしているのを見ると、右ターンでは、ちゃんとハンドルは右を向いて切れています。右ターンでハンドルを右に切って曲がれる人と、同じことをすると左に曲がっていってしまう人、その差はどこにあるんでしょう?
その答えは、ほんのちょっとした順番のちがいです。ハンドルを切るより一瞬でも早く、マシンを倒してあげてください。オートバイは、実によくできていて、マシンを倒すと、ハンドルはひとりでに切れてくることになっています。トライアルマシンでも白バイでもハーレーでも、自転車でもいっしょです。
では、マシンを傾けるのはどうしましょう。これは、左右のフットレストを踏んだり戻したりするのがスマートです。ハンドルを上下に押し引きしてもいいのですが、切れようとするハンドルの動きをじゃまする心配があるので、最初はステップワークにこだわってください。ハンドルに無理な力を加えずに、自然に扱えるようになってきたら、ハンドルを使ってマシンをバンクすることもレパートリーに加えればいいのです。なにごとも、急がば回れ。ひとつひとつしっかりマスターしていったほうが、上達は早いです。
マシンをバンクさせるのに、からだや頭をターンのイン側に入れ込むようにすると(リーンインといいます)、マシンは傾きますが、ほぼ確実に内側の足が出てしまいます。ハイスピードでコーナーを回るのと、ほとんどスピードゼロで旋回するトライアルのちがいは、ここにあります。曲がる道理、理屈はまったくいっしょですが、オートバイが走るスピードが、うんとちがうわけです。
内側の足をつかないようにターンをするにはどうしたらいいか。ライダーは重心方向に直立して左右のバランスをとったまま、腰から下だけで、くぃっくぃっと左右のフットレストを操作することです。
つまりターンは、ライダーの両足の間で、マシンを左右にくぃっくぃっと動かすことできっかけを作って旋回が始まるのです。
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2005年03月06日
ターン2・シーソーのごとく
こんなモデルを考えてみましょう。シーソーです。絵に登場しているぼくちゃんはハンドルを持っていますが、別に持ってなくてもよろしい。シーソーは、実はフットレストだと思ってください。ついでにいえば、こんなにシーソーが高いと、おっかないと思います。もっと低いシーソーでも、学べるものはいっしょです。
さてシーソーを中立に保つには、右に倒れる時は、右足を踏み込みます。思いきり踏み込むと、シーソーは一気にぱたんと倒れます。右足を踏み込みながら、左足でも多少踏み込んで、バランスを調整しています。右足は荷重をかけたまんま、左足の荷重を抜くことで、シーソーを右側に倒した方がやりやすいかもしれません。
ここでのやっぱり主役は足の裏です。これまでの人生、こんなに足の裏のことを考えたことがないというくらい、足の裏のことを思ってあげてください。愛しる気持ちといっしょで、一生懸命足の裏のことを思ってあげれば、足の裏もきっと期待に応えてくれます。
腰から上は、ほとんど直立を維持しています。直立していないと、シーソーの上で立ち続けるのは、むずかしいんです。この、シーソーの上で直立を保つ姿勢が、トライアルのリーンアウトと共通です。
リーンアウトとは、バンク下マシンよりもライダーが起きている(ライダーがターンのアウト側に位置している)ことをいいますが、ごく遅いスピードでターンをする場合は、股の間でマシンがわずかにバンクするだけで充分。ライダーはお尻を突きだすこともなく、ほぼまっすぐ立っているだけで、立派なリーンアウトになるのです(トライアルでも、スピードをつけてターンするとなると、お尻をアウト側につきだしたり、ときにはリーンウイズで走る必要も出てくるかもしれません)。
ともあれフットレストは、トライアルマシンのステアリングです。トライアルマシンだけじゃなくて、どんなオートバイだって、フットレストはコントロールの胆なのですが、トライアルが、もっともダイレクトにこの鉄則に気がつける。そういう点で、トライアルがオートバイライディングの基本と言われるのかもしれません。
フットレストの操作だけでは、なかなぴたりと操縦できませんが、それでいいので、足の裏をじゃんじゃん使う訓練をしてください。足の裏での操縦ができて初めて、ハンドルが正確にいきたい方向に連れていってくれるようになります。
とにかく、できるだけ、ハンドルに依存しないで走る訓練をしてみる。そうすることで、あなたの足の裏は、どんどんトライアル・ソウルになってきます(靴底=ソウル=魂というだじゃれ。おそまつ)。
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2005年03月06日
フロントリフト
前輪を持ち上げる。これが、本格的トライアルライディングの入り口。自由自在に前輪を持ち上げることができるようになれば、いよいよトライアルが楽しくなります。なんとなーく前輪が上がって、えいやと障害物にあたって砕けているあなた、あげたいだけ、正確に前輪が浮くようになれば、同じあたって砕けるでも、余裕が生まれます。そしたらきっと、砕けなくなる。
フロントアップの練習をして、後ろにひっくり返ってしりもちをついて、ついでにリヤフェンダーを真っ二つにしてしまったという方々、ご愁傷さまです。練習は、楽しくありたい。リヤフェンダーを折るのは、やっぱり楽しくないですね。
まず、ここでもやっぱり基本のアクションから。オートバイを、バックさせるときのアクションを考えてみます。なるべくするすると、一気に後ろへ下げることを念頭においてやってみてください。
最初は、両足を地面につけて、自分がどんなアクションをするか、観察してみるのもいいかもしれません。両足をフットレストに乗せてこれをやるには、だれかに押さえててもらうのが手っ取り早いです。
フロントブレーキをちょっとかけて、一度前に預けたからだを、うんしょと後ろに移動します。フロントフォークがぼよよんと伸びたりしますが、その動きにからだの動きを吸収されちゃうと、スムーズにバックができない。するするっと、気持ちよくバックができるタイミングと、からだの動かし方を、まず研究してみてください。
実は、このアクションが、ほとんどそのまんまフロントをあげるアクションになるんです。うそだと思うなら、ためしにギヤを入れて、バックするアクションをやってみてください。するする気持ちよくバックするアクションができていたら、あら不思議、ほんのちょっぴりだけど、前輪が浮いたではないですか。
浮いたっていっても、ほんの1cmか2cm、なんてがっかりしないで大丈夫。今は、エンジンかかっていない状態でやってます。これから先、エンジンの力を借りれば、1cmか2cmのフロントアップは、立派なウィリーにまで育てられます。まちがいない。
次に、アクセルとクラッチのおさらいをしておきます。両足を地面につけた状態でいいから、アクセルをちょいと開けて、クラッチをポンとつないで、前輪をちょこんとあげる練習。
ぶひーんとアクセルを開けたら、マシンは飛んでいってしまいます。ぶっぶっと軽くアクセルを開けるだけ。クラッチも、ちょいとつないだら、すぐに切って、あがった前輪を落としてあげます。スムーズに前輪が上がったこないのは、アクセルとクラッチのタイミングが合ってないから。今のうちに、ベストタイミングをつかんじゃってください。
クラッチを使うのがむずかしいから、クラッチを使わないでフロントアップするというテクニックもあります。でも、トライアルにクラッチはつきもの。こんなところでむずかしがっていては、この先のトライアル人生が思いやられますから、これも今のうち、クラッチを自由自在に使えるように、訓練しちゃいましょう。
基本的には、バックするアクションと、クラッチとアクセルワークでぽんと前輪をあげる操作。このふたつを組み合わせれば、フロントアップはできあがりです。
フロントアップは、エンジンの力を使いはしますが、エンジンの力だけでおこなうのは、危険であぶない。特に最初のうちは、極力ボディアクションによってフロントアップするように心がけましょう。ボディアクションでフロントの上げられる人がエンジンだけでフロントを上げるようになるのは簡単ですが、その逆は、なかなかむずかしい。最初に手抜きをすると、後で苦労しますぞ。
さて、ではもう一度おさらい。からだを動かす方向のことです。フロントアップをするといっても、前輪が垂直方向に上がっていくわけではありません。後輪の車軸を中心に回転運動をするから、前輪が上がるのです。前輪を上げようとして、いくらハンドルを真上に持ち上げても、労多くて功薄しです。
ハンドルは、からだ全体で後ろ方向に引っ張ります。ハンドルをひきあげてはいけません。懸垂みたいにハンドルを持ちあげると、からだが前に移動します。せっかく上がりかけている前輪を、からだの動きでまた落っことしてしまいます。さらにハンドルを腕の力で引っ張ると、どうしても右腕と左腕の力のちがいが出てしまいます。腕を伸ばしたまま、からだ全体で後ろにひっくり返れば、左右均等にひっぱれます。
それと、フロントアップをする前には、フロントフォークを縮めるだけじゃなくて、後ろのサスも静めようとがんばってください。前輪が上がるには、リヤサスが伸びていては具合が悪い。両手両足をうんむと踏んばって、マシン全体を押しつぶすのが、大事です。
これだけ準備運動してから実際のフロントアップにかかると、まず暴走なんかはしないで、スムーズにフロントアップできるはず。アクセルは、可能な限り開けないこと。自然山通信では、特製アクセルストッパーもご用意しています。
さらに念を入れれば、30cmほど前輪が浮くようになったら、リヤブレーキを踏んづけて前輪を落とす練習をしておきます。リヤブレーキを踏めば、前輪は必ず落ちてきます。早いうちからこの訓練をしておくのは、リヤブレーキさえ使えれば安心という心の支えができるので、からだを後ろへ後ろへと持っていくことができるからです。
あなたのトライアル、変わるかな?
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2005年03月06日
ブレーキ
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2005年03月06日
フロントが高い位置にある感覚
ここらあたりで、前輪をあげるときの心得、クラッチはこう使えとか、体重移動はこうしろという段取りをご説明さしあげるべきなのですが、その前に、前輪をあげるについての考察を少し。
「前輪をあげられますか?」と聞くと「あげられるんだけど……」と答える方が多数いらっしゃいます。「だけど……」がくせもの。多少の例外はありますが、こういう方のほとんどは「あがってしまっている」ことが多い。自由自在にあげられないから「だけど……」と注釈付きになるんじゃないでしょうか。
自由自在に前輪をあげるなんてのは、世界チャンピオンでも百発百中にはいかないけど、我々素人は、少なくとも「たまたまあがる」のではなく「正確にあげる」努力をしたいもんであります。
ミック・アンドリュースは「ウィリー走行は曲芸だが、その技術はものを越える際に使われる」と言ってます(近日発売自然山DVD「トライアルチャンピオン、ミック・アンドリュース」より)。これ、ウィリー走行は曲芸なので、できなくてもいいと解釈してはいけません。
この連載のはじめに、なにごとも姿勢が大事とご説明しました。これ、ウィリーもいっしょです。ウィリーの基本姿勢は、横から見たときにバイクと人間がVの字を書くことです。絵のように、誰かに助けてもらって、前輪をあげた状態でのバランスを経験してみてください。
最初は、この姿勢をとること自体がおっかないかもしれません。でも慣れてください。この姿勢をこわがっていて、正しく前輪をあげるのはむずかしいからです。
少しこの姿勢に慣れてくると、人間が「わー、後ろにひっくり返るー」と思っても、実はぜんぜんひっくり返らないってことに気がついてもらえると思います。もっともっと、後ろにひっくり返っていいんです。
「そんなこたぁない、わたしはハンドルにしがみついていてまくれました」という人、いますね。このケースは、エンジンのパワーをフルに使って前輪をあげています。エンジンは強力ですから、油断するとまくれるし、コントロールもむずかしい。エンジンの力に頼らないで前輪があげられると、エンジンをじょうずに使えるようにもなる。まずは人力でできることを最大限やってみましょう。エンジン頼りでも前輪は浮きますが、滑りやすいところだと玉砕です。
この姿勢に慣れてくると、あがった前輪の高さのコントロールは、人間のちょっとした体重移動でできるってことに気がつくんじゃないでしょうか。押さえててくれる人にはご苦労だけど、これを感じられるところまで、やってみてください。
こうやってできた美しいウィリーのフォーム。この姿勢をイメージして前輪をあげれば、必要以上にエンジンパワーに頼ることなくあげられるようになります。
腕が曲がった状態はとりあえずよくないです。ハンドルを腕力で引き上げようとしてこうなる場合が多いんですが、自分はオートバイの上に乗っています。そのオートバイを腕力で引き上げるってことは、いわば自分を自分で持ち上げるようなもんです。
下の写真は、こんなテーマを念頭に置きつつ、9月号のお題を訓練する少女A。教材はぱわあくらふと製の「トラッパー」です。トライアルができる人に言わせるとエンジンがない、ブレーキがない、サスがないと違和感を並べるが、できない人が訓練をするにはなかなかお勧めです。
腕力で引き上げるのではなく、後輪(トラッパーには車輪はありませんが)を軸に回転運動をさせるように、体重をうまく預けていけばよろしいです。
トラッパーくらい軽ければ、腕力などまったくなくても、最低限の体重と握力を使って、後ろにまくれかえれるはずです。
■なぜ前輪が浮くのか
今回はトライアル力学のお勉強です。どうにも前輪が浮かない人は、ちょっと考えてみてください。
まず、オートバイの模型を考えてみてください。前輪が浮くとき、後輪は地面についたままです。前輪が浮くのは、前輪が垂直方向に上昇していくんではありません。後輪のアクスル(車軸)を中心に回転運動するということです。感覚的にこのへんを誤解していると、あらぬ方向に力を入れたりして、うまくいきません。
実験するのは自転車でいいです。後輪アクスルを中心に回転する感触を感じてみましょう。両足をペダルからおろして自転車を支え、後輪ブレーキをかけて、ハンドルを握ったまま人間ごと後ろに倒れかかっていきます。ハンドルを腕の力で持ちあげたり引いたりはしません。すると、自転車の前輪は意外と軽々と浮いてきます。持ち上げるのではない。移動するのです。この要領は、そのままオートバイでも通用します。
もちろんオートバイは重たいので、自転車のように軽々とは持ち上がりません。でも、同じなのです。だからこそ、自転車で世界を席巻した藤波貴久や黒山健一は、オートバイに乗り換えてもあっという間にトライアルをものにするのです。もしあなたが、自転車ならできるけどオートバイだとうまくいかないとしたら、それは軽い自転車を、力技で持ちあげているからじゃないでしょうか。力のない子どもたちは、彼らなりに知恵を振り絞ってストレスなくフロントを持ち上げようとします。大人のあなたも、持てる力をちょっと隠しておいて、考えなおしてみてください。
オートバイは重たいから、サスペンションの反動を利用すると教えてもらうことがあります。サスペンションをうまく利用するかどうかで、トライアルの結果はうんとちがってきます。でも、これがまた、誤解を生むポイントです。
サスペンションとは、バネです。バネですが、いくら縮めても、オートバイが飛び上がるほどの反発力は発揮しません。じょうずなライダーが乗ると、そんなふうに見えるところが、これまた誤解のもとです。
バネの力を使おうとすると、縮めたサスペンションが伸びてくるのに合わせて、忙しくからだを移動しようとします。これがまた、タイミングをとれなくしている大きな要因になります。からだの一部が前方向に向かって入るのに、からだの一部は伸びるサスペンションといっしょに後ろに向かっていたりする。ライダーのからだ自体の動きに、統一感がなくなってよろしくないです。
ためしにフロントサスペンションを縮めてみてください。縮めた後、そんなに素早く伸びてくるわけじゃありません。ダンパーも着いてますから、しばらくは縮んだままです。もっとゆっくり、自分のタイミングでとりかかっていいのです。
バネの力を使っていなくても、フロントフォークが伸びるのは重要な要素です。フロントフォークのインナーチューブ(倒立フォークだったらアウターだけど)から後ろの部分は、フロントフォークが伸びるとともに、斜め後方に移動を開始します。これ、後輪アクスルを中心にした動きと、ぴったり一致します。この動きこそが、フロントが浮く秘密です。
むずかしくいうと、ライダーを含めた重心位置が移動してるってわけですね。重心位置を簡単に移動させるために、ライダーはエンジンの力をちょいと使ったり、フロントフォークをちょいと縮めたり伸びてくるのを利用したり、いろんなことをするわけです。
逆は真じゃない。エンジンパワーだけでもフロントは浮いてくるけど、それでフロントアップを覚えちゃうと、あっぶねートライアルになっちゃいますからね。わっかるかなぁ。
■人車一体のフロントリフト
今回は機械の使い方を考えてみます。
からだをまったく使わなくても、アクセルを大きく開けてクラッチをポンとつなぐと、前輪を浮かすことは可能です。この方法なら、50ccやロードスポーツバイクでも、前輪をあげられますから、免許とりたての頃に遊んだ覚えのある人もいると思います。ついでに、前輪があがったままひっくり返った経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。今回は、後ろにひっくり返ることのないように、アクセルとクラッチのコントロールのお話です。
フロントアップを練習していて(あるいはまねごとをしていて)後ろにひっくり返ってしまうのは、アクセルが開いているからです。エンジンの力は強大ですから、ちょっと開けすぎたら、ひっくり返ります。まして、そのときにからだが充分なアクションができないとしたら、人車ともに痛いことになります。お気の毒。
ほとんどの人は、そういう痛い思いをして、リヤフェンダーの2枚や3枚ダメにしながらフロントアップを覚えていくのですが、痛い思いをするのが目に見えていて、尻込みをする人もたくさんいます。
ここでは、あえて反対のことをやってみます。フロントをあげるのに、極力アクセルを使わないで、ボディアクションでいきましょう。といっても、まったくエンジンパワーを使わずフロントを大きくあげるのは不可能に近いので、最低限だけ、エンジンを使います。
フロントがあがった、初心者にはちょっとあり得ないかっこうで、必要最小限だけアクセルを開けるというのは、そんなに簡単ではありません。だから、みんな後ろにひっくり返るんです、きっと。
ボディアクションはボディアクションとしてお勉強し、アクセルとクラッチの使い方を、個別にしっかり学習することにしましょう。
フロントをあげる場面ではなくても、アクセルワークはトライアルの肝。トライアルだけじゃない、オートバイを走らせる肝が、アクセルワークです。アクセルグリップを回せるというのと、アクセルワークができるのは、アクションは同じでも、ぜんぜん結果がちがいます。
クラッチもしかり。クラッチつきバイクに乗っているからクラッチ操作ができると思うのは甘い。クラッチつきバイクを無事にスタートさせるのはクラッチ操作のいろはのいであって、フロントをあげようと思ったら、もうちょいと繊細で大胆、つまりトライアル的なクラッチ操作が必要になります。
フロントをあげるためのアクセルとクラッチの練習には、最初に書いた“エンジンの力だけでフロントを上げてみる”のがいいと思います。そのかわり、ボディアクションはしません。半端にボディアクションをすると、それこそひっくり返ってしまいますから。ボディアクションを断固やんないために、形ばかりのシートにどっかり座って、フロントをぽんぽんと上げてみましょう。ちょっとした上り坂でやるとフロントも浮きやすいのですが、後ろにひっくり返りそうな恐怖心も出てくるかもしれません。グリップのいい、がらーんとした駐車場みたいなところが簡単かな。フロントが上がればいいってもんじゃないですぞ。これくらいアクセルを開けると、これくらいの勢いで上がってくる、クラッチをつなぐタイミングがこんなだと、フロントが上がる感じはこんなふうになる……。そんなこんなのデータを、ここでしっかり集めといてください。
ふつうにオートバイに乗るとき、クラッチ操作は走り出すときと止まるときがメインで、限界ぎりぎりのコーナリングのときとかにクラッチ操作をすることはほとんどありません。でもトライアルでは、けっこうぎりぎりの場面でクラッチ操作します。並のクラッチ操作ができるくらいでは、トライアルじゃ通用しません。
ちょっと脅かしましたが、なに、初心者がアクセルやクラッチ操作がへたなのは、素質がないんじゃなくて、そういう練習をするチャンスがなく、ちゃんと練習してなかったからです。今からでも、それ相応の練習をしたら、藤波貴久にはなれないかもしれないけど、少なくともきのうのあなたより、あしたのあなたの方が、きっとじょうずになっているはずです。
こういう練習は、単独でやったほうがいいです。今、アクセルとクラッチのトレーニングはフロントをあげるためのものですけど、フロントアップの練習をしながらアクセルやクラッチの練習をするより、アクセルとクラッチの練習に専念した方が、結果的に、美しいフロントアップをする近道となるでしょう。
千里の道も一歩から。あなたの千里先に、藤波貴久が待ってます。
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2005年03月08日
トライアル教室のうそ?
先生と生徒、どちらも人間。人間は人それぞれ。教えるほうと教えられるほう、どちらにもそれぞれの感性があります。感性がくいちがうと、せっかく教えてもらったのに「あの先生、うそつきじゃん」てなことになってしまう。たとえばそれは、こんなこと。
というお話は、バイカーズステーション2007年6月号に書いたもの。
誌面での原題は『よくある、トライアル教室の“うそ”と真実』でした。
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2008年07月28日
トライアル教室のうそ?
フロントが高い位置にある感覚
ブレーキ
フロントリフト
ターン2・シーソーのごとく
ターンのはじまり
うまくなるライディングフォーム
エンジンのかけかた
アクセルとブレーキ
立ち上がってスタンディング
ゼロからのスタンディングスティル
テクニックいろは
トライアルテクニックとは?